最近、いろいろなイベントに出かけると

「ぜひこのハッシュタグでツイートしてください」

と言われることか多い。

 

ハッシュタグを決めることは大切だと思う。

「どんな内容の話があったか」やその感想をツイートすることで、参加できなかった人にも情報を共有することができたり、擬似参加をしているような気分を味わえたり、そもそもそのイベントを知らなかった人にも届いたりすることがあるからだ。

 

そのとき、特定のハッシュタグを決めておくと、フォローの有無にかかわらず網羅的に情報を追いやすくなる。

 

また、「アウトプットすることが自分の成長につながる」という論説もある。

ただなんとなく「なるほどなあ」と自分だけで納得しているよりも、何かしら考えをまとめて言葉として出力するほうが自分のうちに残る、というのはまったくそのとおりだと感じている。

 

が、それでも今日ものすごく思ったのが

何をアウトプットするかは俺が決める

ということだ。

 

今日参加したfreeeさん主催のイベントがあって、LT(ライトニングトーク。1人5~10分ぐらいで軽く話すこと)がいくつかあったのだが、そのたびに周囲の5人ぐらいと集まって話をさせられ、

「学んだこと、気づいたことをツイートしてください」

「数が集まればトレンドにのるかも!?」

といったことを何度も言われたのだが、正直に申し上げると「知るか」と心から思った。

 

そこで精力的に活動されている方にもの申すつもりは毛頭ないし、今日の集まりそのものも意義があるものではあると思う。

が、そのような声かけがあったことで、自分が

アウトプットを強制されることにものすごく嫌悪感を持つ

ことに気がついた。

 

日頃アウトプットをしていない方にとっては、そりゃゼロよりは何かしらのアウトプットをすることに意義はあるに違いない。

が、私には、腐っても独立してからの3年間ブログを中心にアウトプットをしてきたというささやかな自負があるし、自分なりに考えをめぐらせながら発信をつづけたことで、それなりの成果につなげてこられたとも正直に言うと些少ながら思っている。

web発信ができてないときも、雑誌や書籍の原稿を執筆したり講演のスライドをつくったり、自分の脳から出しているものはたくさんある。

 

そもそも、「アウトプット」とひと口に言っても、

  • ブログやSNSでのweb発信
  • 執筆や講演などのデジタルではないアウトプット
  • 外には出ないが、仕事でのお客さま相手のアウトプット、社内での業務改善

など、形式から方向性からさまざまなものがあるはずではないか。

 

であるのに、「アウトプットをしろ」が「その場ですぐweb発信をしろ」にすり替わっているように感じることがよくある。

 

別にその場ですぐにweb発信をしなくても、後日(もしかしたら何年も後でかもしれない)仕事で活かされるアウトプットなどもあるはずで、今日のようにweb発信を強要されることがあるととてもうんざりする。

(念のため書くが、私自身はweb発信の効用・力強さをものすごく実感している。web発信がなければ私のごとき無才は独立して3年生き延びることさえできなかった。が、それは自分の意思で、自分が好きでやってきたものだし、「アウトプット=web発信」という認識や「とにかくweb発信してればOK」という風潮は違うのではないか、と言いたいだけだ)

 

--- ○-○ ---

 

1年近く前に、評論家の宇野常寛さんが、

 

「人に発信させると賢くなる」という宗教が現代にはある。
「ちゃんと聞いてちゃんと発信する」が正解。

 

というようなことを、とあるイベントでおっしゃっていた。

 

この言葉、私は最近の風潮である「とにかくアウトプット(web発信)をしよう」に対してどうにも腹に落ちきらぬものを感じていたので、聞いたとき思わず膝を打った。

 

「今しようとしているこれは本当にアウトプットといえるのか」

「そもそも正しくインプットできているのか」

「出し入れするときに、それぞれ自分の考えを練って混ぜたか」

ということを深く考えもせず、まさしく宗教といっても差し支えないほど「とにかくweb発信を」という風潮になってはいないか。

 

LTを聞いて少し感じたことを付箋にメモしてツイートして、それがはたして本当に「実のあるアウトプット」と言えるのか。

「なんとなくアウトプットができたような達成感」だけで終わってはいないか。

 

私などは頭の働きが鈍いから逆恨みのようなものもあるのだろうけれど、私はあまりその場でどうこうというのが考えつかない。

イベント後の家に帰るまでの道すがらでふと「ああ、なるほど」と整理ができることも少なくない。

 

だのに、「アウトプットすると成長につながるって研究結果出てるぜ」といった風潮をもとに、「アウトプットという名の即席web発信」を強要されると非常にうんざりする。

 

もう一度書いておくが、

何をアウトプットするかは自分で決める。

 

いいと思えば内容をまとめてツイートするかもしれないし、あとでブログにまとめるかもしれない。外には出さずとも自分の今後の仕事や生活に活かすかもしれない。逆に自分に合わなければアウトプットどころかすぐ捨てるだろう。

ひとつだけ言えるのは、「何を取り入れて、消化し、その上で(あるいはその過程で)いつ何をどうアウトプットするかを決めるのは自分」ということだけだ。

 

もし、web発信する内容を選ぶことで、大人物になれないというのなら、大きな影響力を持てないというのなら、それでもいい。

「自分のすることを自分で決める」という自由を失うぐらいなら、私は小人物で終わろうがこのささやかな自由を大切にする。

 

 

改めてだけれども、ハッシュタグを決めてイベントの冒頭に「気づきをツイートしましょう」というぐらいでは別にどうとも思わないし(やはり強要はされたくないが)、freeeさんの今日の集まりなどで精力的に活動されている方にもの申すつもりも毛頭ない。

また、実況ツイートのように内容を逐次まとめて情報共有することはとても素晴らしいと思うし、感想や学びや情報を概括してつぶやくことをはじめ、主体的な発信については全面的に肯定する。

 

が、いちいちいちいちイベントの最中に集まって「ツイートを」と繰り返されるのは正直閉口する。

これまで「アウトプットがその人の成長につながるから」を前提としてきたが、もしそのイベントの盛り上がりを演出したいだけで強制しているならなおさらである。

(意図はわからないので、別にどちらと推断するつもりもない)

 

ただ、どのくらいの距離感でいるべきか迷っているコミュニティではあったので、そのスタンスがはっきりしたのはよかった。

そして、好きに、楽しく、独自で生きていきたいと願うならば、能力の乏しい自分には圧倒的な努力が必要だということも改めて感じた。

大切な人やものを大切にして、ひとつずつがんばらなくてはいけない。

 

--- ○-○ ---

 

最後になりましたが、もし当記事でご不快になられた方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。

昔書いた弥生会計オンラインの記事といい、先日のマネーフォワードクラウドの記事といい、業界の全方位にケンカ売ってんじゃねえかと思われたら申し訳ないのですが、私個人としては自分の好き・嫌いのスタンスを明示して、ダメと思ったものにこれはダメじゃないのと言っているだけ(言い続けられる立場でいたいだけ)というつもりです。

 

私は応対したときにトゲのあるほうではないと思うものの、性格は偏屈だし「嫌いなもの・人」が少なくありません。

インフルエンサーを目指しているわけでもありませんので、気に入らなかったらフォローはずすなりブロックしてくださっても大丈夫です。

(少し前からfreeeさん関係でTwitterをフォローしてくださる方がときどきいらっしゃるので、念のため)

 

freeeの開発はほんとすごいと思っているし、将来性も一番あるんだろうなと思っているので勉強・研究はつづけますが、ツールのひとつでしかないとも思っているので特段崇め奉るつもりもありません。

 

といった距離感でいたいな、という現時点での気持ちの整理でございました。

宇野常寛さんの言葉をご紹介しましたが、私が正しく受け取れているかも定かではないし、自分の考えが正しいと主張するつもりも一切ありません。

ただ「私はこうしたい」というスタンスの表明であり、誰かに押し付けるつもりもなく、だからこそ誰からも押し付けられたくない、と私は考えています。

そして、私が好きで、大切にしたいと思う人達は、みんな誰かに押し付けることのない人達です。

 

最後に、改めて当記事でご不快になられた方がいらっしゃいましたらお詫び申し上げます。

 

 

2019年7月7日追記(長文です)

当記事を公開した直後から、当サイトのブログとしては想定以上に読まれてしまい、困惑から以下の文を冒頭に追記しました。

当該イベントの運営の方々に対する謝罪や、私のスタンスの明示の意味合いもあり、念のため残しておきます。

(騒動を知らない方にとってはなんのこっちゃという内容かと思いますので、さらっと流していただけましたら幸いです)

 

↓↓↓ 以下追記文 ↓↓↓

 

追記日時点で、当サイトのブログとしては想定以上に読まれてしまっており、困惑しております。

 

TwitterでURLのツイート・リツイート等をしていただけたのですが、その理由として、

  • 「アウトプット=その場でのweb発信」という風潮に不満を持っておられた方からの共感
  • freee社で開催されたイベント(とその日のツイートの状況)について

のまったく別の2点の理由があると個人的に考えております。

 

このうち、前者の「アウトプット=その場でのweb発信」という認識はおかしいのではないか、というのが筆者の本来したかった主張です。

 

それをfreee社でのイベントに参加した際に強く感じたために題材として取り上げておりますが、

  • 2019年7月6日に開催されたイベントにおいて
  • LTごとに話し合いの時間が設けられたこと、また、そのたびにツイートの呼びかけがなされたこと、「トレンドを目指す」という姿勢に対して

の「筆者が参加した回の進行のしかた」についてのみ言及しているつもりであり、初参加であった筆者にはそれ以外の回にまで言及できるものではありません。

 

本論ではないので、タイトルにもfreee社の名前やイベント名を入れておらず(会社名は本文には入れておりました。イベント名は本文にも入れておりません)、大したフォロワーもいない私のブログにいつもあるようにさらっと流れていくものという認識でいたところ、想定以上に拡散されてしまった、というのが流れです。

とはいえ、「もしかしたら目にとまるかもしれないし」と問題提起としての批判を盛り込んでいた部分もあり、この点、私の見込みの甘さと書き方の粗雑さとに問題がありました。関係者の方にはお詫び申し上げます。

(なお、「参加された方が今これを見てどう思うか」という短期的な目線よりも、「今後もこのやりかたでよいのか」という中長期の目線を優先しているつもりです。運営の方にはその労力を鑑みて水を差したことを謝罪しますが、それ以外の方にまで波及するものではないと考えています)

 

筆者としては、運営の方個人個人に対して思うところは何もなく、大変申し訳ないことにそのような流れの中で運営の方の目に止まってしまったのですが、私の批判に対してとても誠実な対応をしてくださいました。

くり返しになりますが、筆者が言及したいのは「筆者が参加した回の進行のしかた」のみであります。

freee社のコミュニティは発足してまだ1年しか経っておらず、当ブログの有無とはまったく関係なく、これからさらに改善を重ねてもっと参加しやすいものになっていくでしょう。

 

もともと当該イベントが開催されたときは妙にツイートが多いな、とお感じになられていた方も多く、その疑問も拡散の原因のひとつになったようですが、この記事のみでご判断をなさらないでください。

一方のみの情報で判断するのはとても危険なことであり、筆者も筆者のブログのみで判断されることは本意ではありません。

ぜひ、当該イベントに思い当たり、少しでもご興味を持っていらっしゃる方は、一度足を運んでご自身の目でご判断なさってください。

(強引な営業や勧誘は一切ありません。素晴らしい)

 

下にも書いておりますとおり、

  • このコミュニティやイベント自体は意義のあるものであると思う
  • 特定のハッシュタグを決めてイベントの冒頭に「気づきをツイートしましょう」というぐらいでは別にどうとも思わない

というのが筆者のスタンスです。

 

昨今は後者の『特定のハッシュタグを決めてイベントの冒頭に「気づきをツイートしましょう」と呼びかける』というイベントはいくらでもあります。

私が嫌だなと思ったのは「過剰な呼びかけ」と「アウトプットが狭義化されてしまっていること」についてであり、ハッシュタグどうこうについてはfreee社のイベントが特殊なわけではまったくありません。

「会場の盛り上がりを、まったく知らない他者にもわかるように可視化する」ことは現在のSNS運営においてはとても大切であり、主体的な発信についてまで批判をしたいわけではないのです。

 

と、あえてつらつら書いて中途での離脱を狙ってみましたが、以上が追記の内容です。

ご了承のうえ、以下の本文をお読みいただけましたら幸いです。

(細かいところに修正は入れていますが、おおむね以下が当初掲載していた文章です)

 

 

 

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