【税理士のRPA】UiPathで弥生会計を操作 試算表・決算書をPDFとして印刷するの巻

 

 

こんにちは。めがねロボットの谷口(@khtax16)です。

 

税理士事務所や、会社の経理の方、ひとり社長の方が比較的よく使うソフトである弥生会計

 

この弥生会計をRPAツールであるUiPathで操作してみました。

 

今回は弥生会計編の初回ということで、簡単に試算表と決算書をPDFにする作業の自動化です。

(次回試算表をCSV化して、Excelに貼り付ける処理を作成する予定)

 

なお、クリックなどごくごく基本的な操作は、

『【UiPath初歩の初歩】マウスで画面をクリック、指定の文字を入れる、アプリを起動するなど』

で解説していますので、もしも今回の記事で「うーんわからん」と思われた方は、そちらも見てみてくださいませ!

 

UiPath×弥生会計 試算表と決算書をPDF化してみよう

というわけで、早速処理を見ていきましょう。

先に共通の手順として、弥生会計のウィンドウを取得します。

 

このとき私が泥沼にハマったのが、Activitiesの「Attach Window」で弥生会計を取得しようとしてもうまくいかなかったことです。

 

WinAutoMationだとそこそこ簡単に取得できるのですが、しかし取得できたらできたで、

「弥生会計 会社名 第○期」

と会社名などが出る仕様のせいで、別の会社になると途端にうまく取得できなくなるという新たな沼が出現する始末。

 

こういうところよ。あなたのダメなところ。

っていうかあなたたち会計ソフト・税務ソフト全般のダメなところ。

 

ということで、「Get active window」で弥生会計を直前まで動かしてから取得 する流れにしたら、会社名や期を問わずに取得することができました。

(「弥生会計をアクティブにしてから」という意味なのですが、うまい日本語化ができません)

 

これは税理士×RPAの先駆者である井ノ上神のアイデアです。ありがとうございます!!

 

※ そのほか「こうすればできるよ」をご存じの方がいらっしゃれば教えてくださいまし。

 

 

↓ ただ「Get active window」をセットするだけ

 

 

UiPathで弥生会計の試算表をPDF印刷する編

というのが共通の手順。

以下「Get active window」内だけで完結します。

 

 

↓ まず「Send Hotkey」でAltにチェックを入れ、Keyに「rsg」と入力。これは試算表を開く処理です

(実際に弥生会計を開いて「Alt」を押してから順に「r→s→g」と入力すると、試算表が開きます)

 

 

 

↓ 「Click」を持ってきて、青文字の「Indicate~」をクリック。「全期間」のボタンを取得します

 

 

↓ また「Send Hotkey」でAltにチェックを入れ、Keyに「fp」と入力

 

 

このとき、「Ctlr+P」で印刷している方も多いのではと思いますが、UiPathだけでなくWinAutoMationでも、Ctrlだとどうもうまく認識してくれません。

なのでメニューバーの「ファイル (f) ⇒ 印刷 (p)」で起動させたほうが安定して動きます。

(全期間も「Alt+P」で選択できますが、動作が安定するためClickを選んでいます)

 

また、弥生会計がポンコツなのか の認識の問題なのか、そのままの設定だと速すぎるのか安定して動いてくれません。

そんなときは、右側「Properties」⇒「Options」⇒「DelayBetweenKeys」に2000ぐらいを入力すると安定して動く 印象です。

 

これはキーの入力速度を調整する機能です。

「Delayとあるからなんか遅くなんだろ」ぐらいしか私は認識していなかったのですが、井ノ上神いわく「ミリ秒らしい」とのこと。

 

かなり単位が小さいので、感触的に うまく動作しないときは大胆な数字を入れてしまったほうがよさそう です。

 

あとはさらに単純で、

 

 

↓ 印刷のダイアログが出るので「Click」で「OK」を取得

 

 

↓ 「Type into」の、青文字の「Indicate~」で「ファイル名」の場所を取得し、「”試算表”」など任意の名前を入力

(文字列のため””ダブルクオーテーションが必要です)

 

 

↓ また「Click」で「保存」を指定すればOKです!

 

 

↓ これで試算表のPDFが作成できました!

 

 

設定は済ませておこう!
「通常使うプリンター」にPDFソフトを指定しており、印刷に必要な設定を済ませている前提です。
もし設定したい項目があればClickなどで追加しましょう。

 

 

全期間以外は難しそう
やってみた感触として、弥生会計のUIがよくないのか 全期間でなく任意の期間を指定するのはなかなか難しそうです。
可能性があるとすれば「Alt+O」と、変数を組み合わせて指定する方法ですが、私ではかなり難しい印象。。

 

 

 

 

UiPathで弥生会計の決算書をPDF印刷する編

さて、というのが試算表をPDF化する方法でした。

ほとんど一緒ですが、決算書のほうもごく簡単に解説しておきます。

 

 

↓ まず「Send Hotkey」でAltにチェックを入れ、Keyに「kk」と入力。これが「決算書作成」

 

 

↓ こんなメッセージが出ますので、

 

 

↓ 「Click」で「はい」を指定

 

 

↓「Click」で「印刷」を指定

 

 

↓「Click」で「OK」を指定

 

設定は済ませておこう!
上と同様に、「通常使うプリンター」にPDFソフトを指定しており、印刷に必要な設定を済ませている前提です。
もし設定したい項目があればClickなどで追加しましょう。

 

 

 

↓ 「Type into」の、青文字の「Indicate~」で「ファイル名」の場所を取得し、「”決算書”」など任意の名前を入力

(文字列のため””ダブルクオーテーションが必要です)

 

 

↓「Click」で「保存」を指定

 

 

↓ これで決算書のPDFが作成できました!

 

 

 

以上なのですが、個人的に「あなた役目が終わったら閉じなさいよ」と思うのが、

 

 

この表示。

これを消すところまで自動化してみました。

 

ただ「閉じる」を「Click」で指定するだけなのですが、ただ指定するだけは動作が速すぎてうまく消えてくれません。

 

そこで、「Click」の「Properties」⇒「Commons」⇒「DelayBefore」に3000ぐらいを入力すると少し待ってから消してくれます

 

 

↓「Click」で「閉じる」を指定しつつ、「DelayBefore」に3000を入力。これでOK!

 

 

 

弥生会計 試算表と決算書のPDF自動化 動画

やってみるとごくごく単純ですが、短いので一応動画もアップしておきます。

ほかのと同様私は最初の起動ぐらいしか動かしていません。

 

 

↓ こちらが試算表のPDF化

 

 

↓ こちらが決算書のPDF化

 

 

 

おわりに

というわけで,UiPathで弥生会計の試算表と決算書をPDF化する工程をまとめてみました。

 

ちょくちょくUiPathで行き詰まっていたのですが、今日とある勉強会をしたおかげでだいぶ理解が進みました。改めてありがとうございました!!

(ような気がするだけで、また行き詰まる可能性あり)

 

たかがこれぐらいの動作でも、うまく動くとほんとテンションが上がります。

RPA楽しいなあ!

 

一緒に勉強会をしたお二人が英語読めるのほんとうらやましい。。うらやましいというか自分がサボってきただけですけれども。

 

次回はcsvエクスポートからのExcel貼り付けの予定です!

 

 

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