2017/05/02

オススメの近代文学って何?『金色夜叉』一択でしょうが! あらすじと感想まとめ

 

 

こんにちは。めがね税理士の谷口(@khtax16)です。

 

以前書いた『〔短歌〕穂村弘さんのコメント毎回かっこよすぎ問題』のように、完全に個人の趣味丸出しですが、僕の大好きな明治時代の小説『金色夜叉』について、

  • あらすじ ~金持ちダイヤモンドアゴ男の暗躍~
  • 感想と注意点

をまとめてみました。

 

「明治時代ごろの文章が好き」という方にはまちがいなくおすすめできる逸品です!

 

小説『金色夜叉』のあらすじなど

「金色夜叉知ってる?」とだれかに言ったとき、

 

「読んだことあるよ」

「聞いたことはある」

「金色のガッシュだろ。どんだけうろ覚えだよww」

 

と、かなり反応が分かれるのではないかと思います。

なので時代背景から改めてざっくりまとめてみます。

 

 

小説『金色夜叉』が書かれた時代

『金色夜叉』は明治時代に書かれました。

1897年(明治30年)1月1日から連載開始されているので、もう100年以上も前ですね。

僕は夏目漱石も大好きなんですが、この時代の文体が個人的にすごく好みです。

 

 

小説『金色夜叉』の作者

『金色夜叉』の作者は尾崎紅葉(おざきこうよう)さんです。

1868年1月10日生まれで、1903年10月30日に亡くなられています。

35歳で亡くなられたということですね。20代で『金色夜叉』書きはじめたとか改めて知るとすごすぎてなんだかヘコみますね。

 

僕はこの『金色夜叉』しか読んだことがなく、代表作も『金色夜叉』と言っていいかと思います。

もう少しほかのも読んでみたいと思いながら、1年半ぐらい経っています。

 

 

小説『金色夜叉』のざっくりとしたあらすじ

日清戦争後の社会を背景にしているそうです。

前半の有名シーンまでの流れを、ものすごくざっくり自分なりに意訳しながらまとめてみます。

 

 

<貫一とお宮>

  • 間貫一(はざまかんいち)という青年が主人公
  • 貫一は15歳で両親を亡くし、貫一のお父さんに恩があったらしい鴫沢(しぎさわ)さん宅に引き取ってもらう
  • 貫一はその鴫沢さん宅のお宮というお嬢さんと許嫁(いいなずけ)
  • 貫一は硬派な男ではあるが、お宮がめっちゃ美人なので内心鼻の下をのばし、友人から「あんな美人と結婚するなんて羨ましい」と言われ普段飲まない酒をじゃんじゃん注がれニヤニヤしながら酔っぱらう。お宮大好き

 

 

<金持ちの富山登場>

  • お宮はめっちゃ美人なので、あるとき金持ちダイヤモンドアゴ男富山(とみやま)に見初められ求婚される
  • お宮もお宮両親も、貫一との約束があるとは言え金持ちダイヤモンドアゴ男からの誘いは悪くなく、了承
  • 了承した以上貫一にも説明しなければならないが、ただちょっと気まずいのでお宮と母は熱海に旅行へ行き、その間に父が貫一に説明
  • 貫一はお父さんには引き取ってもらった恩もあり表立って反論できないが、ひっそり熱海へお宮を追う

※ 実際には富山は開始直後から出てきますが、わかりやすさのためこのような順番にしました。あと金持ちダイヤモンドアゴ男は私のイメージ。

 

 

<貫一、熱海へ>

  • 貫一的には「お父さんお母さんが無理を言って、お宮は納得していないのに嫁にやろうとしているのではないか。僕はお宮の本心が聞きたい」という気持ちでお宮と会う
  • でもお宮は普通に自分の意思で了承
  • 貫一「ああ、裏切られた! 裏切られた! 貫一はあほ! お宮のはらわたは腐っている! あーあ、あーあ」と熱海の夜の浜辺で絶叫
  • お宮「貫一さん、私はあなたのことを生涯忘れないからそんなこと言わないで。ああ、私がお嫁に行ったらあなたはこれからどうしようとゆうの、ねえ、決してヤケにならないで」と貫一にすがる
  • 貫一「やっぱお嫁に行く気満々じゃないか!」とお宮を突き放して蹴る

※ 私の解釈が入りまくってますので話半分で……

 

 

小説『金色夜叉』の最も有名な場面


出典:熱海市webサイト

で、この貫一がお宮を蹴るのがものすごく有名なシーンでして、熱海で銅像にもなっています。

 

貫一の言葉も有名

この蹴る前に貫一が放った言葉も有名です。

この日は1月17日だったらしいのですが、

 

「1月の17日、宮さん、よく覚えておおき。来年の今月今夜は、貫一はどこでこの月を見るのだか! 再来年の今月今夜……10年後の今月今夜……一生を通して僕は今月今夜を忘れん、忘れるものか、死んでも僕は忘れんよ! いいか、宮さん、1月の17日だ。来年の今月今夜になったならば、僕の涙で必ず月は曇らしてみせるから、月が……月が……月が……曇ったらば、宮さん、貫一はどこかでお前を恨んで、今夜のように泣いていると思ってくれいいか宮さん。来年の今月今夜……再来年の今月今夜……10年後の今月今夜……一生を通して僕は今月今夜を忘れん、僕の涙で必ずこの月を曇らしてみせる。」

という言葉を残しています。

(横書き用、現代用としてひらがな等少し手を入れています)

 

よく言えば詩的ですけど、隠さずに言うと女々しさマックスですよね。

涙で月を曇らすって。「あ、今年も1月17日がきた……貫一さん……(普通に晴れてるやんけ)」ってなる可能性あるしそもそも来年見るかどうかさえ怪しいでしょ。

でも映画『永い言い訳』のレビュー記事でも書きましたが、僕女々しい登場人物にめちゃくちゃ思い入れが湧くんですよね、自分が女々しいから。

 

 

 

 

感想 『金色夜叉』の魅力と注意したほうがいい点

などといちゃもんをつけつつ紹介していますが、僕はこの作品の一番の魅力は文体だと思っています。

とにかく文章のひとつひとつがかっこいいんですよ、そのうえユーモアもあってほんと文を見ているだけで楽しいんです。

 

私は上で「富山」という男を「金持ちダイヤモンドアゴ男」と称していますが、これはこの金持ちダイヤモンドアゴ男が自分のダイヤモンドの指輪を見せびらかしているからであって、彼の初登場シーンでは、

 

「まあ、あの指環は! ちょいと、金剛石(ダイアモンド)?」
「さうよ」
「大きいのねえ」
「三百円だつて」
お俊の説明を聞きて彼は漫(そぞろ)に身毛(みのけ)の弥立(よだ)つを覚えつつ、
「まあ! 好いのねえ」

 

と彼のダイヤモンドの指輪を見た女の子達が騒ぎ、

 

「金剛石(ダイアモンド)!」
「うむ、金剛石だ」
「金剛石??」
「成程金剛石!」
「まあ、金剛石よ」
「あれが金剛石?」
「見たまへ、金剛石」
「あら、まあ金剛石??」
「すばらしい金剛石」
「おそろしい光るのね、金剛石」
「三百円の金剛石」

と30人あまりの男女でひそひそ話すシーンがあります。

お前ら何回ダイヤモンドって言うんだという。

 

 

また、これはかっこいい文の例として、貫一が熱海でお宮に迫ったとき、

宮は我を棄てたるよ。我はわが妻を人に奪はれたるよ。わが命にも換えて最愛(いとを)しみし人は芥(あくた)のごとく我を悪(にく)めるよ。恨みは彼の骨に徹し、憤(いかり)は彼の胸をつんざきて、ほとほと身も世も忘れたる貫一は、あわれ奸婦の肉を啖(くら)いて、この熱腸(ねっちょう)を冷まさんとも思へり。忽(たちまち)彼は頭脳の裂けんとするを覚えて、苦痛に得堪(えた)へずして尻居に僵(たふ)れたり。

という文で貫一の怒りと悲しみを表現しています。

 

 

意味がわからなくても読み進めていったほうがいい

いえ、意味がわかる方はいいんですが、わたくしのレベルでは文章を読んでも意味がわからないところもかなり多いです。

たとえば、この小説の冒頭は、

 

未(ま)だ宵ながら松立てる門は一様に鎖籠(さしこ)めて、真直(ますぐ)に長く東より西に横よこたはれる大道(だいどう)は掃きたるやうに物の影を留(とど)めず、いと寂しくも往来(ゆきき)の絶えたるに、例ならず繁(しげ)き車輪(くるま)の輾(きしり)は、或(あるひ)は忙(せは)しかりし、或(あるひ)は飲過ぎし年賀の帰来(かへり)なるべく、疎(まばら)に寄する獅子太鼓(ししだいこ)の遠響(とほひび)きは、はや今日に尽きぬる三箇日(さんがにち)を惜むが如く、その哀切(あはれさ)に小(ちひさ)き膓(はらわた)は断(たた)れぬべし。

でいきなり始まります。

うん、全然わかんない。

 

なので僕のようにわからない方は、

  • 宵なんだな
  • 人通りはないんだな
  • よくわかんないけど太鼓が遠くで鳴ってるんだな
  • お正月なんだな
  • 腸(はらわた)は無視

という感じでなんとなくで読み進めていったほうがいいです。

かなり長いので、いちいちとまってるとほんと進まなくなります。

 

これは雰囲気のかっこよさを味わう小説である、ぐらいに考えておいてほうが取り組みやすいかもしれません。

 

 

かなり長いし未完

また、作者の尾崎紅葉さんが書き途中で亡くなっているため、未完であることにも注意しましょう。

個人的にはこの話がどういう着地をするのかはすごく気になるのですが、夏目漱石の『明暗』という小説も途中で亡くなっていて未完ですし、「まあこれも一つの味だな」と思えないともやもやは残ってしまうかもしれません

 

さらに話自体もかなり長く、

  • 金色夜叉
    • 前編
    • 中編
    • 後編
  • 続金色夜叉
  • 続続金色夜叉
  • 新続金色夜叉(未完)

という構成になっています。

(なんで「新続」になったんだろう。この次があれば「新新続」なのか「新続続」になるのか気になるところ)

 

上にまとめたあらすじは「金色夜叉」の前編までです。

個人的には続金色夜叉の最後はものすごく興奮して読み進めましたし、その後の展開も好きでした。がさすがにまとめきれないので略。

 

 

 

 

小説『金色夜叉』のあらすじと感想 まとめ

というわけで、明治時代の小説『金色夜叉』の、

  • あらすじ(ものすごくざっくり)
  • 感想と注意点(雰囲気を楽しむとよいよ)

をまとめました。

 

昨日に引き続いてなかなかブログが書けないため、自分の好きなテーマで書いてみました。

かなり人を選ぶと思うのでなかなか難しいところですが、もしたった一人の方でも「読んでみるか」と思ってくだされば嬉しいです!

 

 

 

 

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