弥生会計オンラインはおすすめできない 税理士の私が考えるこのサービスの悪い点3つ

 

こんにちは。めがね税理士の谷口(@khtax16)です。

 

はじめに申し上げておきますと、当記事は全体としてただの悪口です。

自分を棚上げして申し述べている部分もあり、ご不快になられる方もいらっしゃるかもしれませんので、その点はじめにお詫び申し上げます。

 

ただ「会計ソフト会社って本当にユーザー目線を置き去りにしている」と感じることが多々あり、私なんかの一石(いっせき)がなにほどの波紋を引き起こすわけでもないでしょうが、現時点で感じていることを書いてみます。

悪口だけ言っていてもしかたないので、なるべく建設的な方向になるよう気をつけつつ・・・

 

なお、前半は弥生会計オンラインの話ではありませんので、検索からいらした場合は ここをクリックすると弥生会計オンラインの話 に飛びます。途中まで関係ない話ですのでご注意くださいませ。

 

念のための注意事項
私(谷口)はどこの会計ソフト会社からもお金をもらっていないため、実際に使ってみた感想のみで当記事を書いております。

 

「弥生PAP」の「ぱっぷ」という響きおもしろいよね

私がこんな記事を書こうと思った発端は、『弥生NEXT』という雑誌を弥生株式会社が発行しだしたことにあります。

(雑誌というか会報のような感じですね)

 

弥生株式会社は、「弥生PAP(ぱっぷ)」という、税理士事務所向けの会員サービスみたいなものを提供しています。

この「弥生PAP(ぱっぷ)」に入会すると、

  • 関連ソフトをいろいろ提供するよ
  • 弥生会計オンラインも使えるよ
  • Misocaも使えるよ
  • サポートいろいろつけるよ
  • 顧問先拡大を支援するよ(はあ?)

などの特典があり、私も会計と給与のソフトが欲しかったこともあり入会しています。

 

※ 「ぱっぷ」の響きが愉快なのであえてふりがなを振りつづけます

 

 

『弥生NEXT』ってなんじゃい。お前のNEXTとは何かいま一度問い直せ

で、上にも述べたように、この「弥生PAP(ぱっぷ)」会員向けに『弥生NEXT』という雑誌を弥生株式会社が2017年から発行しだしました。

発行しだしたはいいものの、強制的に会員向けに郵送してきました。

 

まあね、こういうのも広報活動の一環でしょうし、それはまあいいんですよ。

商売をしている以上試行錯誤が必要ということもあるでしょう。

でもこの『弥生NEXT』、会員向けに送ってくるメールからPDFでも見られるんですよね。

 

PDFでも見られるものを郵送されちゃったら、捨てる手間が生じるじゃないですか。

弥生株式会社さん的にもムダな印刷費や郵送費がかかっちゃうわけじゃないですか。

僕がPDFで見れば完全無欠のWin-Winが完成するわけじゃないですか。

 

だから弥生株式会社にメールしたんですよね。

「僕、PDFで見るから郵送いりませんよー」って。

 

 

こんな感じで。

 

こういうことってよくあるから、通常「承知しました。今後ともよろしくお願い申し上げます」なんつってめでたしめでたしになるわけじゃないですか。

 

と思っていたらこんなメールが返ってきました。

 

 

もうそのままコピペしますが、

弥生NEXTの発送停止のご要望をいただきましたが、
現状ご要望を承ることができません。
誠に申し訳なく、お詫び申し上げます。

今後の検討事項として担当者に申し伝えます。
またなにかございましたらお知らせください。
出典:弥生株式会社からきたメール

って書いてありました。

 

「現状ご要望を承ることができません。」ですよ。

 

もう「はあ?」ですよ。

 

完全無欠のWin-Win提案が一顧(いっこ)だにせず拒否されたわけですよ。

まあPDFで見るつもりも一切なかったので、それを察したとしたらPAP(ぱっぷ)さん優秀ではあるわけですが、本当に顧客視点みたいなものが欠片(かけら)も存在しないな、と改めて感じたのでした。

 

 

2018.4.3追記

このブログを書いたあと弥生株式会社さんからご連絡をいただき、NEXTの発送を停止していただけることとなりました。ブログすごい。

(いずれにしろ、このメールに表れている「自社の都合しか考えてない姿勢」は本当にダメですが)

 

 

 

ユーザー目線が欠如した弥生会計オンラインの悪い点

しかしこの件で考えるきっかけになったのが、なぜ「弥生株式会社は顧客視点が欠片も存在しない」と改めて感じたのか、という点です。

 

ひとつはMisocaという有名な請求書発行サービスを、弥生株式会社が買収したことで値上げして改悪させた、というのは間違いなく影響しているでしょう。

 

ただMisocaの内部のマネタイズがどうなっていたのかまではわかりませんし、フリーミアムモデルではあるにしろ、無料で使えるMisocaのサービスはすばらしすぎたので、部外者の私が「100%改悪だ」と断言できるものでもありません。

(個人の感想としては「改悪だ」と思っていますが)

 

そこで「じゃあほかにもあるのかな」と自分に問いかけてみたところ、「弥生会計オンラインの使いにくさはかなり影響している」と思い至ったのでした。

 

 

クラウド会計ソフトのうち、弥生会計オンラインはおすすめできない

クラウド会計ソフトの導入セミナーなどを私はちょくちょくするのですが、そのときに申し上げるのが、

「弥生会計オンラインはおすすめできません」

ということです。

 

誤解してほしくないのは、私はインストール型の「弥生会計」のことは評価していますし、インストール型の会計ソフトをご希望される方には「弥生会計」をおすすめしています。

私はクラウド会計を積極的に取り入れていますが、「クラウド会計ソフトを導入すれば何もかもうまくいく!」とは思っていませんし、インストール型にはインストール型のよさが(現段階では)明確に存在すると感じています。

 

ただクラウド会計ソフトとして出した 弥生会計オンラインは後追いサービスのくせにひどすぎるだろ、と思っています。

 

どんな点が悪いのか。それは、

  • デザインをおしゃれっぽくしただけで、とにかく操作性が悪い
    (直感的に操作できるデザインになっていない)
  • 自動連携にあたってソフトをインストールさせようとする愚(ぐ)
  • ソフト会社側の都合でつくられており、ユーザー側の都合を考えられているように思えない

という点です。

 

 

直感的に操作できるデザインになっていない

一番大切なのが、「直感的に操作できるデザインになっていない」という点です。

 

主要クラウド会計ソフトであるfreeeもMFクラウドも、一長一短はあるものの、共通しているのが「画面を見ながらなんとなく操作して進めていける」という点です。

 

この「直感的なわかりやすさ」というのは、特に税理士事務所でない事業者の方が操作するうえではものすごく大切です。

現代のweb業界では「ワンクリックをいかに減らすか」、がすごく大切になっていると言います。

(「Amazonダッシュ」が一時期話題になりましたが、Amazonは「ワンクリックを減らす」ことに全力を注いでいますよね)

 

であるのに、弥生株式会社さんはもうそんなの完全に知らん顔です。

「まったく聞いたことないけど?」みたいな顔をして弥生会計オンラインを世に出しています。

 

しかも中途半端に「デザインおしゃれにしてみました」みたいな雰囲気を出しているのに腹が立ちますどうかなあと思います。

 

 

自動連携にあたってソフトをインストールさせようとする

また、銀行口座などの自動連携をするにあたって「弥生口座自動連携ツール」とかいうソフトをインストールさせようとします

 

これはもう「クラウド会計ソフトの意味わかってますか?」としか言えません。

「freeeやMFクラウドより後にリリースしませんでしたっけ?」という感じです。

なぜクラウドだけで完結させようとしないのか。

 

そんなに頻繁ではありませんが、インストールすることでアップデートする手間もかかることになります。

 

しかも自動更新時間の設定をしないと自動更新ができないつくりになっています。

 

いやほんとにライバル研究しましたかと。

freeeやMFクラウドがそんな面倒な設定させてますかと。

メール通知とかいいからとにかく連携後は粛々と自動更新していっていただけませんか。

というのが、私が抱いている要望です。

 

2018.4.3追記

電子証明書でログインするタイプの口座でなければ、ツールがなくても連携できるものも結構あるらしいです(IDとPWで連携できるタイプは結構平気とか)。

この点は認識が足りず書いておりました。申し訳ありません。

※ どちらにしろ「インストールしてよ」的なメッセージはなんとかしてほしいですが。。

 

 

ソフト会社側の都合でつくられており、ユーザー側の都合を考えられているように思えない

その自動連携のところに通じるのですが、使ってみると、

  • 銀行明細の取得
  • そのデータの入力

をムダに区別しているように感じます。

 

たしかに会計ソフト側からすればこの2つは明確に違うのでしょうが、それってユーザーに影響のある違いなのでしょうか?

ユーザーは「取り込んで、入力する」ということがいかにスムーズにできるか、がすべてのはずです。

(実際、freeeやMFクラウドはスムーズに進められます)

 

であるのに、別のツールを挟んだりやたらと画面遷移をさせたりして、「わざとやってるのかな?」と思うレベルでわかりにくいのが弥生会計オンラインというもの。

 

書いていて不安になってきましたが、これ使っている皆さん「使いにくいなあ」と感じないのでしょうか。

私だけ?

私は「ちゃんとクラウドにも取り組んでますよー」というアピールのためだけにつくったのが弥生会計オンライン、という認識をしているのですが、そのへんご意見や感想などありましたら頂戴できますと幸いです。

 

 

 

弥生会計オンラインの使いにくい点3つまとめ

というわけで、『弥生NEXT』の話からはじまり、弥生会計オンラインの使いにくい点として、

  • 直感的に操作できるデザインになっていない
  • 自動連携にあたってソフトをインストールさせようとする
  • ソフト会社側の都合でつくられており、ユーザー側の都合を考えられているように思えない

というところをまとめてみました。

 

とにかく「弥生会計オンラインはfreeeやMFクラウドと比較できるレベルに達していない」というのが、投稿日(2018年3月)時点での私の印象です。

 

しかし前述したように、私はインストール型の「弥生会計」自体は評価しています。

弥生会計18から置換機能もつきましたし(遅いけどな!)、修正・チェックのしやすさや料金設定などの面で、インストール型のソフトがクラウド型のソフトより優れている面というのは間違いなくあります。

だからそこを追求していけばいいのに、と思うとどうにも残念でなりません。

 

私のブログの影響力なんてたかが知れているでしょうが、万が一のことが起きればPAP(ぱっぷ)会員から強制退会させられるかもしれません。

が、こんなことを書いた以上しかたありません。

ひとつのソフトに依存しないようにはしているので、そのときはそのとき、『【速報】弥生PAP(ぱっぷ)から強制退会』というブログを書いて悲しみを癒やします。

 

でもほんと弥生会計オンラインは根本的に設計し直したほうがいいと思いますよ。

 

ちなみに、あとPAP(ぱっぷ)会員向けのメールで、

 

 

メルマガの配信停止をするときに「重要なお知らせも含め」みたいな設定にしているところも、弥生株式会社さんの姿勢を象徴しているように感じます。

(みずほ銀行もそうなんですよね。重要なお知らせは別でしょ普通)

 

さらにちなみに、当初のタイトルは『弥生株式会社は衰退していくのではないか そのひとつまみのサービス精神とともに・・・』でした。

 

公開をためらう気持ちもありつつ、とりあえず上げてみます。

はたして。

 

 

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