「100%ペーパーレス!」をやめたらだいぶん楽になった話 紙で解き放てmy soul

 

こんにちは。めがね税理士の谷口(@khtax16)でござんす。

 

2016年7月に独立してからというもの、いままで「勤務先の事務所」があったときのように、

「とりあえず印刷して保管しとこ」

ができなくなった。

 

できなくなったって言ったって書類というものはどんどん増える。

税理士も含めた「士業」と呼ばれる、お役所を相手にする仕事はほとんどがそうではないか。

 

そこで役立つのが「ペーパーレス」というやりかたで、つまり「とにかくデータ化して紙をなくそうぜ!」ということである。

 

書類というものは大半が見返しもしないものであり、見返すものであっても頻度が低いならデータ化したほうが保管場所もとらず検索もしやすい。

(「あの書類ここに挟んであったよな」とつぶやきながら探すより、検索したほうが圧倒的に早い。検索に引っかかるファイル名にするよう工夫する必要はあるが)

 

なので基本的にこのやりかたが奏効するのは論を俟(ま)たないが、私はそれを目指しすぎたあまり逆に非効率なやりかたをしている部分があったと最近気づいた次第である。

 

「100%ペーパーレス」は意外ときつかった

「ペーパーレス」の何がきつかったかというと、私が書類の分類ができていなかったことに由来する。

 

上述のように、たとえばお客さまの資料に関しては徹底的にペーパーレスにしたほうが絶対に効率がいい。

税務署に出した申告書なども、電子申告といってインターネットで申告しまえば、原本がどうのという概念はなくなるのだから自社用に印刷する必要はまったくない。

(独立当初は「まあ申告書は最低限ね。税務のプロとしてね」とふんふん鼻息を出しながら印刷していた。むだである)

(ちなみにお客さまには印刷してお渡ししている)

 

私がもっともうまくいかず、また最近までうまくいっていないことに気づかなかったのは「自分の思考の整理のためのメモ」である。

 

 

思考の経過を残しておきたいが……

私はできるだけ思考の経過を残しておきたいほうである。

「残しておいて何か役に立つのか」と言われると、立つときと立たないときがあり、立たないときのほうが圧倒的に多いので「まあそこそこっすね」とちょっと盛って答えるのだが、しかし残さなかったら残さなかったで、

「あれ、このときのおれはなんでこんな処理をしてるんだ?」

と同じ迷いを生じることがある。

 

たとえばある会社さんのデータを見ていて、とある取引の処理方法にA案とB案がありどちらにするか迷う、ということがある。

どんなに迷おうが最終的には決めざるを得ないので、いろいろな要素を考慮したすえA案に決める。

この「要素」というもの、そのときは当然まじめに考えるのでいろいろ挙げていくわけだが、意外とその後は頭から抜け落ちてしまい、あとから見返して、

「はて、なんでこのときのおれはA案を選んだのだ? B案のほうがよいのではないか?」

などという悩みを再度抱えることがあるのである。

 

こういうときのために、これに関わる思考の経過を残しておくことで、

「ああA案でいいんだ。このときのおれやるじゃん」

などと未来の自分をほっとさせる、という活用をすることがままある。

 

思考を整理するためのメモの良書「0秒思考」

「思考を整理するためのメモ」というと、『0秒思考』という本が有名である。

 

 

この本は、一定のルールのもと、A4用紙にひたすら考えを書き出す、というやりかたがざっくり言うと紹介されている。

私もこれを読んで「面白いなあ」「なるほど」と言いつつしばらくこれをやっていた。

(たしか独立前後から)

 

その後マインドマップの書き方を習う機会があり、マインドマップに移行していたが、いずれにせよ「紙に書」いていたわけだ。

これではせっかくペーパーレスを目指しているのに、この思考の経過の紙はどうすればよいのか持ち扱ってしまう。

どうすればよいのか思案したあげく、2つの案を思いついた。

 

それは、

  • Evernoteにひたすら書く
  • マインドマップはソフトを使う

の2つである。

 

 

デジタルかアナログか そのバランス

という2つを思いついて、しばらく実行していたはいいが、とあることに気づいた。

 

まずEvernote。

これは独立するかなり前、サラリーマン時代からこっそり使っていたので、使い慣れたツールではあったのだが、

自分は人と話しながらパソコンに打てない

ということが発覚した。

 

多分慣れの問題なんだろうと1年以上つづけたが、ついに慣れることはなかった。

一度打ち合わせをしているときに、パソコンを開きながら手元の紙に書いていたら、

「パソコンに打ち込まないんですか」

とふしぎそうな顔をされたことがある。

私も目の前でパソコン開きつつメモ紙にペンを走らせているメガネを見たら思わずそのレンズを割りたくなるだろう。

けだしもっともな疑問である。

 

マインドマップというのはこんなのである。

(いま適当につくったので出来の稚拙さについてはご容赦願いたい)

 

 

これはデジタルに移行してわりとすぐ気づいたが、デジタルだとびっくりするほど思考が広がらない、と感じた。

(個人の感想です)

 

 

きっかけは『道は開ける』?

私はもともと頭が明瞭でないので、朝などの比較的スッキリしている時間帯はよいのだが、午後になってくると「パーン」「ごにゃごにゃっ」以外に形容しがたいほどに頭がこんがらがってくることに最近気づいた。

 

ただでさえ明瞭でない頭脳に、さらに色彩から柄からいろんなノイズが混じってきて、ひとりでは整然とした筋道を立てることも満足にできなくなるのである。

(人と会っているときは大丈夫。なので外出予定などは基本午後に集中するようにしています)

 

ということに気づきつつも、「でもペーパーレスが達成できないし……」と思ってうじうじと離れきれないでいたのだが、最近走っているときに本を聞くようになっていて、デール・カーネギーさんの『道は開ける』を聞くことが多い。

 

 

びっくりするほど曖昧で恐縮だが、これでたしか「悩み事はとにかく書き出せ」的なことを言っていて、走っていて疲れたせいか「そうだ!とにかく書き出せばいいんじゃないか!!」とセルフ刮目する瞬間が訪れた。

 

ちなみに走っているときにこういう系の本を聞いていると、頭が働かないのか妙に「しみるわぁ~」と感じる。

「あぁ~いい。いいこと言ってはるわぁ~このひと」

みたいな状態になる。

ぜひお試しいただきたい。

 

 

セルフ刮目後

以来自分の頭のなかに関することはとにかく紙で書き出すことにしてみた。

 

すると、Evernoteへのメモにしろ、マインドマップにしろ、自分は紙のほうが格段に思考が広がり、かつ整理されることに気がついた。

思考の経過を残しておきたいなら、ただその紙をスキャンなりカメラで撮るなりしてEvernoteに貼り付けておけばよいのだ。

しかもデジタルで箇条書きしておくより、自分のメモ書きのほうが見返した際に「ああ、そうだったそうだった」とより強く思えることも判明した。

 

ただ大半は、あくまで「思考の整理」が主眼なので、役目を果たしたら破り捨ててしまう。

破り捨てるときにも「ワイルドな自分」みたいな己の内なる獣性が目覚めたみたいで、ちょっとニヤニヤできる。

また、意外と書きはじめた直後に頭が整理され、そのままEvernoteに書くこともある。

(手書きよりタイピングするほうが早い)

 

最近は常に裏紙を一定量挟んだバインダーを持ち歩いている。

タスクリストの管理方法について『おすすめToDoリストの作り方 まずオープンリストとクローズリストを明確に分ける』で少し書いたことがあるが、いまはクローズドリストに関してもある程度メモ書きにしている。

(やはり終われば破り捨てる。ただ試行錯誤中)

 

さらにメモの方法として、0秒思考的メモをすることもあれば、マインドマップを使うこともあるし、ただただ殴り書きすることもある。

大切なのは最初のハードルを地面スレッスレ、またげば終わりという低さまで引き下げることだ。

「こうしなければならない」という枷は、個人的には足がとまるきっかけになってしまう。

「とにかく書く」、そして書き出すためのハードルをいかに下げるかが大切で、まずは「書き出すこと」を習慣化しようと思っている次第である。

 

結局自分なりのやりかたを見つけ、習慣化するのが大事なのだろう。

 

関係ないが1,000文字1時間で終えようと思ったのに、3,000文字に達しているし完全に時間をオーバーしている。

これがいけないのだめがね野郎が。

 

 

 

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