こんにちは。ときどきふまじめがね税理士の谷口(@khtax16)です。
はじめに申し上げておきますと、税理士業界以外の方には「なんのこっちゃ?」のどうでもいい話です。
ただまあ語りはじめるにあたり、念のため基礎的な部分を申し上げますと、法人には年一回「申告」というものがありまして、そのとき、
- 税務署(国)
- 都道府県
- 市区町村
という3カ所(東京は2カ所)に、「申告書」といって一年の業績や利益をまとめた数字を提出することとなります。
で、やや話がそれますが、法人(会社)には「法人番号」というものが1社につき1つ必ずついています。
「会社版マイナンバー」みたいなものですね。
(ただ個人とは違って、インターネットで公開されており、国税庁の専用サイトで検索できます)
↓ こんな感じのものです
この法人番号、2015年10月からはじまったわりと新しいものなんですが、それまでは「各お役所がそれぞれ都合のいい番号」を勝手に会社に割り振っていました。
ただ「関わるお役所の数だけ番号が増えていく」なんて会社にとってはムダでしかないわけですから、
「役所も民間の会社も利用できるような番号を使おうぜ」
みたいな目的ではじまったのがこの「法人番号」です(たしか)
なので私の場合、実際に申告するときにはこの「法人番号」というものは必ず入れることにしているんですが、申告するとき、
「申告書」の最初のページの右上にあるこいつ
にめちゃくちゃいらっとするんですよ。
↓ こいつ
ここで、
「ああ~」という方
「何が?」という方
と反応が分かれると思うのですが、税務署にはもともと「整理番号」という、税務署がその法人を管理するための番号がつけられていました。
いろいろ言いたいことはあるものの、それはまあもういいんですよ。
「整理番号さん、勤続ウン十年おつかれさまでございました」
という敬いを込めた、「立派な後任の方がいらして、お役目を無事に果たされましたね」そういう気持ちにいまはなっています。
そういう気持ちになってはいるんですが、
で、法人番号が導入されて2年半が経つけどお前いつまでそこにいんの?
というのが今回言いたいことであります。
こんなの定年退職のセレモニー終えたのに、なぜか毎日出社してくるベテラン社員さんみたいなものですよ。
もう社内ざわざわですよ。「これどんなふうに対応したらいいの?」みんなが思っていても口には出せない状況。
「机と椅子なくしとく?」「でもそれイジメみたいじゃない?」みたいな。
いいから仕事以外の趣味を見つけなさいと。
あるいはこれまでの経験を活かした新たな活動をはじめなさいと。
整理番号がずーっとがんばってきたのはおれ知ってる。ずっと見てきた。
でも、もういいんじゃない?
もう申告書に出社してこなくていいから。
もう十分わかってるから。大丈夫だから。
税理士業界じゃあり得ないぐらいパーフェクトに引き継ぎできてるから。
即時に引退してもお客さまには一切迷惑かからないから。
なに、「源泉所得税の納付書あるじゃん」って?
「あそこスペース小さいし、もし手書きだと、法人番号長いし書くの大変じゃん」って?
いいじゃん番号なくても。
住所と会社名でだいたいわかるでしょ。
電子申告なら利用者識別番号あるしね。
そう、法人番号施行前から、電子申告をする法人には「利用者識別番号」といって、その法人を特定する番号がつけられていたのです。
私は紙で申告書を提出するのが大嫌いなので(不器用なため)、
「電子申告するときは、利用者識別番号があるから整理番号いらないんじゃない?」
と思っていて、そのときから「電子申告のときは整理番号強制引退させても差し支えない説」を考えていました。
ただ当時会社勤めでしたし、税理士業界はたぶん職業柄細かい方が多いので、人によっては「整理番号漏れてるよ」という指摘がされることがあり、「めんどくさいなあ」と思いつつなんだかんだ整理番号を入力していました。
でもいまは絶対に整理番号なんて入力しない。
なぜならムダだから。
法人番号の存在意義がなくなる、というかむしろ法人番号の導入によって手間がひとつ増えた、という悲しい結末になってしまうから。
「お客さまがわかりやすいか」はすごく気にするものの、「役所がわかりやすいか」を気にする必要はほぼないと思っているから。
(こんなアホみたいなことで目をつけられる心配もない、つまり会社さまにご迷惑おかけするリスクもない)
社長さんで「うちの整理番号まじキューティー」とか言ってる人見たことないですからね。
「書いてくれなくちゃイヤッ。絶対死守ッ」みたいなね。
というように、税務署の整理番号についていろいろ愚痴を申し上げてきたわけなんですが、
言っとくけど地方税お前もだからな。
↓ こいつ
地方税、つまり都道府県と市区町村については、
- 整理番号
- 事務所
- 区分
- 管理番号
とか何個あるんだばかやろう、というぐらい余計なものフェスティバルが毎夜開催されてますからね。
あなたがたももう引退して大丈夫だからね。
するならお役所の内部で勝手に法人番号とひもづけてね。
表(申告書)には出てこなくていいからね。大丈夫。めがねわかってるから。君たちのがんばりは十二分に伝わってるから。
と、いろいろ申し上げてきたわけでありますが、明るい前向きな話題でなく、ご不快な思いをされた方もいらっしゃることと存じます。
しかしお役所のこういう非効率な部分は改善されないといけないよなあ。法人番号だけでいいのではないか、もう少しシンプルにならないものか、という問題提起も兼ねているつもりでございます。
なにとぞご容赦いただきたくお願い申し上げ 年金事務所お前こらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
↓ こいつ
お前法人番号書く欄すらないじゃねぇか!
いや、いま見たら「新規適用届」とか書類によってはあったし、法人だけじゃないこともわかってるよ? 事業所の問題とかもあるのわかってる。
でも君ひとりだけ独立自尊の精神持ちすぎじゃない?
えっ、ほんとにないよね? そんなに足並み揃えなくていいの?
お前税金のことだけ書くと思うなよ、なにを油断してるんだ。
と、いうことは、労働保険も・・・?
↓ 労働保険の届出の抜粋
セェェェェェェフ!!!!!
ありました、労働保険は法人番号欄ありました!
そうそう、個人が混じってても「個人の場合は不要です」でいいじゃないですか。ねえ?
おや・・・・??
右上になーんか変なものがあるなあ・・・・??
まあこの「※」は、「会社さんは記入しなくていいですよ」の欄なので、まだよしとしましょう。
ただやっぱり届出書に載せなくていいんじゃないの、とは思います。
どうしても必要なら、法人番号だけ載せておいて、システム上、内部の番号としてひもづければいいだけですしね。
・・・・と思ったら下のほうに潜んでいた!!!!
うーむ、この番号、「どんな種類・管轄の会社か」を示す役割があるらしいんですが、この長さだと会社を特定する役割も混じってませんかね。
- 会社を特定するのは法人番号で
- そのほかの意味合いのある番号だけ残す
といったように、役割ごとにもっとシンプルに組み直せないものなんでしょうか。
ちょうど申告書つくっていたときに、「整理番号いらんよな」と思いつき30分ぐらいで書くつもりが、まさかの年金事務所などに飛び火。
「整理番号・法人番号どころか、番号という番号は一切いれないぜ!」
という剛の者もいらっしゃいそうですが、私の運用としては「法人番号だけ入れる」というものになっています。
とにかく「会社側の目線に立つこと」をお役所のお歴々にはお願いしたいものであります。
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