2017/05/02

なぜ独立を選んだか - 4つの理由

 

 

読む方が興味を持つ話題じゃないよなあと思いつつ、自分でもそこまで言語化できていないので、自分がなぜ税理士として独立するという道を選んだかを一度考えてみます。

 

 

1.経営者の方の感覚に近づきたい

 

これが一番大きな理由です。

こう言うと誤解を招きそうですが、税理士を始めこの業界の人間って、「あの社長は数字がわかってないからだめだ」というようなことを言うことが時々あります。

たしかにきちんと利益出して業績が目覚ましい会社さんって、すごく勉強して数字の見方を身に着けている社長さんであったり、肌感覚として数字のどこを見ればいいのかの勘所を掴んでいる社長さんであったり、あるいは数字がわかる方が右腕についていたり、税金のことなんて最低限でよいのですが「自分の会社の業績にきちんと興味を持つ」ってことをされている社長さんが経営していることが多いとは思います。

でも経営者の方ってちょっと思いつくだけでも本当に色々なことを知らなきゃいけない、考えなきゃいけないと思うんです。

・まず何よりその業界のことについて

・自社の資金繰りについて

・売上をどう伸ばしていくのかなど、営業や広告宣伝や自社のブランディングについて

・その業界の法規制とか行政の管轄のしかたがどうなっているのかについて

・従業員がいれば労働法関係のことや、従業員をどう伸ばしていくのか・接していくのかなどのマネジメントについて

・銀行からの借入をするなら担当者との折衝や、返済できるのかや、自社の業績が外部からどう見えるのかについて

・業界や世界全体が10年後20年後どうなっていくのかについて

 

今は人手不足の時代ではありますが、「いかに雇用を創出するか」というのが長く重要視されていた時代にあって、たとえ一人でも二人でも従業員を雇って、それで10年会社が存続していれば、それは本当にすごいことなんだと感じています。

いろいろな方はいらっしゃいますが、一つの会社を経営している、少なくともその面については揺るぎない敬意を私は抱いています。

前回の記事で少し書きましたが、雇われの身であれば名刺を自分でつくる必要さえないわけです。でも経営者の方はそういう一つ一つのことを当たり前にこなしていって(最初はいろいろ調べながらなんだろうと信じたいですが)、一つ一つに判断をくだして、いま会社を経営しているわけです。

規制で守られている税理士という業種ではその重みは違うでしょうが、一からお客さまを探すこと、一から会社に必要なものを揃えること、そういう追体験を一つずつ重ねていって少しでも感覚を近づけたうえで、自分が身につけてきた税法を経営に有利に使う方法や業績の分析の仕方やよりよい決算書の見せ方をぶつけていきたいと考えました。

 

 

2.変化をおそれず、対応できるようになりたい

 

前の事務所のお客さまに、こう言われたことが印象に残っています。

 

「経営者は20年後を考えなくちゃいけない。どんなに今うまく行っていても20年後の状況が今とまったく違っていることは大いにあり得る。今から20年後に向けて情報を収集し、考えて、変化していかなくちゃ会社は生き残ることができない」

 

会計事務所(税理士)の業界だって10年後20年後どうなっているのかまったくわかりません。

少なくとも記帳代行はどこかの段階でなくなっているでしょうし、税法にだってAIが対応できるようになっているかもしれないし、システムの進化ということでなくても、あるいは税法が簡素化されて今やっているような税理士の仕事がなくなる可能性だってあるかもしれない。

20年後だって私はまだ51歳です。まだまだ働いていかなくちゃいけない。でも、もしこのまま安穏と雇われの身でいて、50代のときにその大きな波が来たらはたして自分は変われるのか、という危機感はずっと抱いていました。

それなら少しでも早く独立して、自ら20年先を見据えて、日々変化していけるように今からでも変わり始めなくちゃいけないんじゃないか、と思ったことも独立を選んだ大きな理由の一つです。

 

 

3.自分が全責任を負って、自分の判断で仕事を進めていきたい

 

雇われの身ですと、お客さまからいただく報酬についても、自分の方針よりも上に事務所の所長の方針というものがあります。

よく言われていることなので目新しい意見ではありませんが、私は税理士はサービス業だと思っていますし、目に見えないので比較が難しいですが、自分が提供するサービスに誇りを持っています。

ただ所長との方針が違うと、時に「こんなのボランティアじゃないか」と思ってしまうような仕事もする必要があるわけです。

低価格というものの求心力の強さは、一消費者としてわかっているつもりですが、一人の人間にできることは限界があるので、低価格の仕事を請け負っていると採算ラインにのせるためにより多くの仕事をやらなくてはいけなくなります。

すると一人のお客さまにかけられる時間は少なくなり、お互いに満足のいくサービスは提供できなくなります。

それであれば、たとえ相場よりは高くなったとしても、自分が全責任を負って、料金の交渉も自分で行って、自分の判断で徹底的にお客さまのことを考えて仕事をしていけるようにしたい、そう考えました。

 

 

4.その他 -「できない理由」を並べ立てるのはつまらない

 

税理士(社労士さんなども似たところがあるでしょうが)は社長が思いついたことに対し「これはこういう規制があるからダメですよ」と申し上げる場面が多々あります。

仕事の性質上ある程度発生してしまう(リスクをきちんと説明しなくてはいけない)部分はあると思うのですが、ただ、「できない理由」を考えるのではなく「どうしたらできるか」を考えるのが仕事である、ということもよく言われます。

なので「これはダメですけど、こういうやり方ならどうですか」とどんどん経営者の方に提案していくことが、本来あるべき仕事というものでしょう。

これは雇われの身であってもできることですが、ただ最終的な責任者がどうしても自分ではありませんので、内容によってはその最終責任者の存在を勘案してしまうこともあります。そういう意味でも「最終責任者が自分」というのは意味のあることだと思うのです。

 

また、井ノ上陽一さんという税理士の方の『ひとり税理士の仕事術』という本を読んで「あ、税理士って一人でもできるんだ」という気付きを与えられたこともとても大きいです。

井ノ上陽一さんは憧れの方ですし、本当にすごい方だと思うのですが、ただだからこそ私は決して井ノ上さんにはなれませんし、ひとり税理士はこちらの本の影響で増えているように感じますので、おそらく後発のほうの私としてはただただ鵜呑みにするのではなく、冷静に状況を見ながら進んでいくことがこの先必要なんだろうとも考えています。

 

そのほかも書いていると色々思いつくものですが、確実に今日中に更新ができなくなってしまうので、このへんで締めたいと思います(大体終わりがぐだぐだ)。

読んでくださりありがとうございました。

 

 

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<あとがき>

会社を退職してから4日が経ちました。

私は超のつく小心者なので、不安で震えながら眠れぬ夜を過ごすのではないかと思っていたのですが、意外と「まあなんとかなるだろ」という楽観的な気持ちが続いています。

多分まだ手続きをしたり事務所に揃えなきゃいけないものを買い集めたりといった「やることがある」状態が続いているためかとも思うので、今後の心境の変化に注目したいと思います。

 

 

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