こんにちは。めがね税理士の谷口(@khtax16)です。
以前お会いした同業の方に、
「谷口さんは将来的に事務所をどうしたいとお考えですか?」
と質問されたことがありました。
その方は規模の拡大を求めている方でしたし、私よりひと回りぐらい年上の方だったので、当然のように「まだ若いんだしこれからガンガン攻めるんでしょう」とおっしゃっていました。
ただ私はどうしても規模の拡大というものに興味が持てず、「何十人の事務所にしたい」など規模が目的になるのはおかしいのではないか、とも思っています。
規模が目的になるのは見栄の影響なんじゃないかなあとも思ったり……
(たとえば「このサービスを多くの人に利用してもらいたい」という目的を達成するため、「それには何十人規模の組織が必要」ということでしたらわかります)
というのをきっかけに「自分にとっての理想の事務所とは」を考えていたのですが、思っていたよりも明確な答えは出てきません。
ですが、『「やりたくないことリスト」ではなく「やらないことリスト」!書き出して毎日見直してみる』で書いた「やりたくないこと」「やらないことリスト」と似ていますが、「自分にとって理想ではない税理士事務所」はハッキリとしています。
その「理想ではない」を明確化してみました。
目次
自分にとって理想「ではない」税理士事務所
独立してからいろいろな方にお会いする機会は格段に増えましたし、いわゆる士業の方の集まりというのもそれなりに顔を出してきました。
士業の方って、私が勝手に抱いているだけですが、内気な方も結構多いような印象を持っています。
私もご多分に漏れず特段社交的というわけでもありませんし、根底に「自分に自信がないから資格で補強したい」という思いがあって資格を目指した方は一定数いるのではないでしょうか。
(私はそうです)
「本当に士業?」と思うくらい営業上手な方もいる
ただそのなかにも、
「本当に士業?」
と思ってしまうような、まったく物怖じせずとにかくいろんなところに顔を出したりいろんなアイデアを実行したりする、営業上手・商売上手な方もいらっしゃいます。
(営業出身の方が多い印象ですが)
そういった方はとにかく規模の拡大を目指されているようで、それは私にはできないことですし尊敬しますし、そこに文句をつける気はまったくないのですが、
「いや~いまのお客さんに全然手が回ってなくて」
「この前期限に間に合わなくて怒られちゃったんですよ」
「書類に不備があったときも怒られちゃって」
「もう人が増えすぎて私も把握できてないんですよ」
「でもこのアイデアがあればもっとお客さん取れると思うんですよね」
と笑いながらいまいるお客さんを疎かにしていることを言う方、も複数名いらしたんです。
いまいるお客さんを疎かにしてまで規模の拡大を目指そうと思わない
いま思い返してもまったく納得がいっていないのですが、これが私の「理想ではない税理士事務所」です。
つまりいまいるお客さんに力を尽くせない税理士事務所。
それでいて自分はあらぬほうを見ている税理士事務所。
私は冒頭の、
「谷口さんは将来的に事務所をどうしたいとお考えですか?」
という質問をされたとき、あんまりまとまっていなかったのですが、
「事務所をどうしたいかですか…。ひとまず、いまご縁をくださった方にご満足いただけるサービスを提供していきたいなと思っています」
ぐらいのお答えをしました。
そのときはそれほど考えずにそうお答えしたのですが、思い返すと「疎かにしている」ように私には感じられたあとだったので、まあいま改めて考えることとだいたい合っているなと。
規模の拡大が悪いわけではない
私は現在「ひとり税理士」として、従業員も雇わずに仕事をしていますが、今後従業員を雇うことにまったく否定的ではありません。
思い込みの可能性も大ですが、自分では組織のなかで比較的うまくやっていけるタイプだと思っています。
(ただ尊敬できない人間が上にいると我慢ならなくなりますが)
なので規模の拡大自体に対しては悪く思いませんし、一気に拡大していくのは自分にはできないことなので「すごいな」とさえ思います。
ただ一度獲得できたらもうよくてとにかく貪欲に新しいお客さまを目指す、みたいな、いま手のなかにある幸せに気づかず家の外の青い鳥を探しつづけるような姿勢には少し嫌悪感を覚えます。
われわれのように対人のサービス、経営者の方と向き合って、いかに会社をよくしていくかを考えるサービスをしている場合はなおさらです。
起業家の方からすれば、「なにを甘っちょろいことを」ということになるのかもしれませんが。
野心がないのは世代のせいか
ところで、これは余談ですが、私はもともと規模の拡大自体には興味が持てませんでした。
「何十人の事務所にしたい」「でもいまのスピードじゃまだまだ遅い」とかおっしゃる方ってそれなりにいる印象ですが、私は前の事務所を見ていた経験から、
「経営者の器以上に拡大を求めると絶対に歪みが出る」
と感じている節もありつつ、多分本当に「もともと」そういったものへの興味が薄いようにも感じます。
私はギリギリゆとり世代ではないはずなのですが、あくまで人為的に区切っているだけですので、傾向的にはかなり近いのかな、とも正直に言うと感じています。
(ゆとり世代は1987年度生まれの世代かららしいです。諸説ありそうですが。私は1985年生まれ)
そのためかどうなのか「独立したい」という程度の野心はあるのですが、「ガンガン規模を大きくしてとにかく稼いでやる」というような野心は特にありません。
まあでもこれは世代関係ないんですかね。
ただ「いろいろ経験したすえに行き着いた」のと、「もともとあんまり興味がない」は違うのかなあというふうに考えたりなんだり。
おわりに
と、余談を挟んだせいでよりとりとめのない感じになりましたが、自分にとって理想ではない税理士事務所について考えてみました。
(少し前から書きたかったのですが、個人的には考える力をある程度使うテーマだったので先延ばしにしてしまっていました)
まず「やりたくないこと」を明確化するというのは神田昌典さんの『非常識な成功法則』の影響です。
特に迷ったときは、
- 自分にとってやりたくないこと
- 理想ではないもの
など、まわりの空白を埋めていくことで輪郭をハッキリさせることが重要なのかなと改めて思いました。
いずれにせよ人の生き方に正解などはないので、だれかに押しつけることもせず、自分なりに考えて、サービスを提供していければなと思っています。
この「自分が人に押しつけないこと」、また「押しつけてくる人と付き合わないようにすること」も、自分がしないようにしていることの一つです。
◇ 谷口孔陛税理士事務所のホームページはこちら! https://kh-tax.com
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