こんにちは。めがね税理士の谷口(@khtax16)です。
先日中学生のころの友人とお酒を飲みに行った際、はじめての彼女のことを思い出しました。
一度しかデートできずにフラれてしまったのですが、そのときの失敗談を語ることでいまを生きる全中学生男子の役に立つことはできないかと思い、慙愧の念と闘いながらまとめました。
なお全面的にふざけています。
(ややグロテスクな描写がありますので、苦手な方は読まないほうがいいかもしれません)
目次
発端
こんなところで何を言うんだという話なんですが、私、はじめての彼女ができたのが中学三年生のころです。
でも、中学三年生って純情じゃないですか。
純情が服着て歩いてるみたいなとこあるじゃないですか。
彼女ができたにも関わらず、半年間でデートしたのも一回だけ、手をつなぐことすらなくフラれることと相成りました。
彼女と電話で話したのも数える程度でしょう。
「当時は」なんて話をすると10代~20代の方におじさん扱いされるんでしょうが、携帯電話(PHS)が普及しはじめたものの、持っているのがまだ少数派だった時代です。
私は彼女のご自宅に電話せざるを得ず、お母様に「S子さんいますか」と言わなければつながらないことがまず恥ずかしかったですし、なにも話題がなくお互い受話器を耳にあてて無言で時を過ごす、なんてこともあったように思います。
先日中学生のころの友人に会う
冒頭でも言ったように、先日中学生のころの友人に会いまして、彼らはちょうど中学三年生のとき同級生だったので、私と彼女が付き合っているときのことを知っています。
(というかみんな同じグループで一緒に遊んだり、いろいろ相談したりしていた)
そんで「なつかしいなー」っていう話をおじさんらしくしておのおの帰ったわけなんですが、そのうちの一人K君が、帰宅後当時の彼女の写真を送ってくれました。
それは彼女が、友達と並んで校舎の窓からこちらにピースをしている写真。
彼女は晴れやかに、あの頃のままの笑顔で、こちらを向いて笑っていました。
少し色あせた写真が、郷愁を誘って胸を締めつけます。
ああ、そうだ、彼女はこんな笑顔をしていた……
私がセピア色の世界に思いを馳せていると、そのK君からLINEでメッセージが届きました。
「谷口、このとき彼女の足のニオイ嗅いでたよな」
嗅いでねえよ。
なんで手もつないでないのに足のニオイは嗅いでるんだよ。
どんなプレイをしてたんだよ。俺は変態なの?
え、それがフラれた原因?
私がそう反論しつつ混乱していると、もう一人の友人、M君が助け舟を出してくれました。
「大丈夫! バレないように嗅いでたからきっと隠せてるよ!!」
だから嗅いでねえよ。
なに、本人にバレずに足のニオイって嗅げるもんなの?
忍者?変態忍者だったの中学三年生のときの僕は?
「嗅いでた」って前提を捨ててまずゼロベースで話し合わない?
初デートで『催眠』というホラー映画を見る
というやりとりを経て思い出したのが、「ああ、初デートのとき行ったの『催眠』っていう映画だったなあ」ということ。
ここで『催眠』という映画をご存じない方のためにご紹介しておきますと、
稲垣吾郎さん、菅野美穂さんが出演していた1999年公開のホラー映画で、監督はのちに『呪怨』の監督もされた落合正幸さんでした。
衝撃シーンによる開幕
といってもなにせはじめての彼女だったので、デートそのものが人生初です。
そのときの緊張といったらそりゃあもう言い表せるようなものではありませんでしたので、正直ストーリーはほとんど覚えていません。
でも一つだけ忘れられない、脳裏に焼きついて離れないシーンがあります。
それは始まって間もないシーン。
ある陸上選手の女の子が、運動場のトラックを走っています。
しかし彼女はとある催眠状態にかかっていて、自分では制御しきれない状態になり、意識があったか無意識であったのか異常な状態でトラックを走りつづけ最後は膝の骨が飛び出し、亡くなってしまいます。
膝の骨が飛び出したんですよ。
それまで親の庇護のもと、ぴよぴよのひよこちゃんとしてさえ生まれていなかった私は、はじめて勇気を振り絞って彼女に告白したことで、ようやく卵の殻にヒビを入れることができました。
懸命に中からつついてつついて、ようやく入ったヒビ。
これから俺は、一人の男として世の中に出ていくんだ。その決意で迎えた人生ではじめてのデート。
そしてどうにか卵の殻から飛び出たと思ったら女の子の膝の骨も飛び出ていました。
なんで『催眠』だったのか
いや、なんで催眠だったのかと言うと、彼女に
「どこか行きたいとこある? 観たい映画とか」
と聞いたら、
「あ、今やってる『催眠』って映画ちょっと観たいかも」
という答えが返ってきたからです。
オーケーオーケー。
彼女が観たいって言うんだったらその願いをかなえてあげるのが男ってもんだろう。
そう考えた私は、しかし『催眠』という映画を知らなかったので、どんな映画か調べてみました。
……ホラー映画って書いてあるけど?
ぴあかなんかを立ち読みしながら私は頭に「?」を浮かべました。
最初ってなんか甘ーい恋愛映画とか観るもんなんじゃないの?
そんで観ながらときめいちゃって、ふととなりの彼女を見ると、静かに泣いている……
そっと彼女の手を握る僕。
ハッと僕のことを見た彼女は、美しく泣いていて、やさしく僕の手を握り返す……
……初デートってこんな感じじゃないの?
という中学生丸出しの妄想をしていた僕は、『催眠』の概要を知ってしかし心を整えました。
いや、世の中にはつり橋効果というものがあるという。
「不安や恐怖を強く感じている時に一緒にいる人にときめいちゃう」とかいうあれだ。
きっと彼女はこれを知っていて、いや知らないまでも俺はこの効果を利用して、初デートを成功させられるはずだ。
そう考えていた私はいきなり飛び出た膝の骨にノックアウトされ、ふつうに震えました。泣きました。少しぐらいは漏らしていたかもしれません。
そしてそれから彼女と一回もデートすることなくフラれました。
全中学生男子に告ぐ
いまの時代の中学生は、私の頃よりずっとずっと進んでいるかもしれません。
しかしどんな時代であっても、私のように冴えない中学生男子は必ず存在しているはずです。
そんな彼らに伝えたいメッセージを終わりの言葉に代えさせていただきます。
いいか、つり橋効果なんかに惑わされるな。ホラー映画はやめておけ。まじくそつまんなくていいから彼女に好きな恋愛映画のタイプでも聞いてそれに合わせろ。お前が思う「面白い」の基準なんてかなぐり捨てろ。
大切なのはお前じゃなくて相手だ。
それから映画に行ってもいいけど映画に頼るな。話すことが思いつかないなら、事前にメモしてでも話題を用意しとけ。彼女に興味を持て。興味を持っていろんなことを聞け。自分のことばかり話すな。あるいは戦略もなくむだに黙り込むな。
彼女が何に興味を持っているのか、なんでそれが好きなのか、いつから好きなのか、最初は思いつく限り聞くだけでもいい。とにかく相手に興味を持て。
相手が自分のことを理解してくれるか、相手が自分のことを好きでいてくれるかじゃない、大切なのはお前が彼女のことを好きなのかどうかだ。
もし胸を張って好きだと言えるんなら、いまのお前の全部で彼女のことを好きでいろ。
はい、膝の骨に打ちのめされた私が言っても説得力ないですね。
■まじめによかった映画の感想
⇒ 『映画「永い言い訳」あらすじと感想 面白い泣ける不快になる』
■ふざけた感じの話
⇒ 『肩書きってなんだろうか めがね税理士セルフブランディングを考える』
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