「お賃金」という単語が好きすぎると所構わずポロリする可能性があるためあまり好きすぎないほうがよい

 

お賃金。

 

ふしぎな言葉ですね。

 

しごくまじめな、自分が労働者としてもらえるお給料を指すのが「賃金」という尊い言葉であるというのに、頭に「お」をつけるだけで突然、

「お賃金ほしいのぉぉぉ!!」

という魂の絶叫がどこかいかがわしい雰囲気を帯びてしまう、という事実が私はふしぎでたまらないのです。

 

まあもらえるものならたくさんお賃金ほしいですよね。

もらえるだけほしい。

 

ということもあって私は個人的に「お賃金」という単語が大好きなのですが、先日そのせいでたいへん困ったことになったので、懺悔・釈明を兼ねつつ経緯をここへそっと置いておきます。

 

(1) お賃金とは

と、本題に入る前に少しだけお勉強の時間です。

 

この税理士という仕事をしていますと、

・役員報酬
・給与
・給料
・賃金

といった、「会社に勤めてる個人が会社からもらえるお金」を指す言葉として、いくつかの種類のものを使います。

 

一般的には「給与=給料」と考えて問題ないですが、ほかのものは性質が微妙に違います。

 

私見も含みますが、ざっくり違いをまとめておきますと、

  • 役員報酬 取締役などの「役員」へ会社が払うお金
  • 給与・給料 多くは「従業員・労働者・一般社員」へ会社が払うお金を指すものの、「役員給与」のように役員報酬を含む場合もある
  • 賃金 「従業員・労働者・一般社員」へ会社が払うお金

と、こんな感じです。

 

実際、「賃金」という言葉は、労働基準法第十一条に「労働の対償として」と少し難しめの言葉を使いつつ明確に定義づけされています。

 

第十一条 この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。
出典:労働基準法

 

つまり、

  • 「給与・給料」という言葉が一番定義が広め
  • 「賃金」という言葉を使うときはより「従業員に対して」という意味合いが強い

といえます。

 

 

(2) お賃金がボロンと出ちゃうとき

それでですね。先日私はとあるお客さまと、毎月恒例の会議をしておりました。

お客さまは6名、私は1名というなかなか多人数の、業績や経営課題について話をする、ごく真剣な打ち合わせの場であります。

 

特定を避けるためと話をわかりやすくするためのフェイクではありますが、

「ある従業員さんを役員にしたいんだけど、月の途中で役員に変わったときって役員報酬を日割り計算すればいいの?」

みたいな話になったわけです(実際の状況はもっと複雑です)

 

質問された私はそこでペラペラと回答をしゃべったのですが、長いので読むのが面倒な方は 太字 だけ読んでください。

 

「えーと、役員報酬には基本的に日割りという概念がありません。なぜかというと、役員報酬と従業員のお給料はそもそも性質が違ってですね、役員報酬は『委任の対価』みたいな言われ方をすることがあって、つまり『経営への責任料』みたいな感じですね。成果を出すことが重要であって、『何時間働いたか』とかは役員には一切関係ないわけです。一方、従業員のお給料、つまり お賃金 ですね、これは『労働の対価』であって『何時間働いてくれたから◯円払います』という考え方をします。そうした契約の性質が違うために役員報酬には日割りみたいな考え方がなくて――」

 

と、めちゃくちゃまじめな会議の場で、めちゃくちゃまじめに、かつめちゃくちゃ自然に「お賃金」というワードをボロンと露出させてしまいました。

 

(3) お賃金をポロリしたことへの弁明

いや違うんですよ。

私は「ここでおふざけをひとつまみ☆」みたいなことを考えたわけでも、「突然お賃金ってワードが出てきたら面白くね?」みたいなことを考えたわけでも、会議は全員男性でしたしそんなこと関係なく卑猥なワードを唐突にぶっこみたかったわけでももちろんないんです。

 

(1) でも書きましたように、「賃金」という言葉には、「給料」よりももっと明確な「労働者への、労働の対価」という意味があります。

 

そのため、

  • まずひとつには「労働の対価である」ということを強調したかった
  • 加えて、その直前に「お給料」という単語を出したので、丁寧に話そうとした結果「お」が引っ張られて「お賃金」になってしまった
  • あともともと「お賃金」という単語が大好きだった

という3つの要素が混ざってしまったために生まれた、悲しき偶然の事故なのです。

 

だれもわるくない。もちろんメガネはぜんぜんわるくない。善良そのもの。誰だ「もともと好きじゃなかったらそんな事故は生まれなかったのでは?」とかいうやつは。正論を吐いてばかりだときらわれるぞ。

 

会議に参加していた方は、私のここの下ネタ満載クソブログ(100メガ)を、むかし更新していた時期に読んでくださってた方もおり、もしかしたら、

「あれいまコイツ お賃金 って言った??」

「ふざけてるのか? でもそのまま話を進めていくな……」

みたいに困惑されていた可能性はまあまああります。

 

自分でも、お賃金って言った瞬間、

「あれっ、おれいまお賃金って言っちゃった?」

って戸惑いが一瞬頭をよぎったんですが、話の内容を組み立てながらしゃべることに全力をそそいでいたので、そのときはそんなワードを放出しておいてスルーしていました。

 

が、その日の夜に布団に入っていたら、

「いやおれあのとき お賃金 って言っちゃったわ!! わざわざ『つまり』って賢い言い換えをしたったぞみたいな雰囲気を出しつつ下ネタをそっと置いて歩き去った感じになってたわ!!」

ってクソデカボイス邪念が頭をもたげまして、あまりの恥ずかしさに布団のなかで身もだえしたのであります。

 

「お賃金」というワードが好きなみんな!

ヤツらはまじめな話のときにひょっこり顔を出してくることがあるから、気をつけようね!

さもなくば布団で悶絶することになるからね!

節度をまもってすてきなお賃金ライフを送ろう!

 

 

 

 

 

くそどうでもいい追記

ふと、この話を読む人の中には、

「なんで『お賃金』が下ネタになるの?」

という疑問をいだく純真無垢な人がいるかもしれないな、という考えが私の脳裏をよぎりました。

 

かといって直接的に表現してしまうのも品がなさすぎるし、こんな生きてんのか死んでんのかもわかんないやつのブログをいまさら見に来るやつにそんな無垢な人間がいるわけないだろ、と悩みつつも割り切ってそのまま更新をしたメガネ氏。

 

が、更新後にアイキャッチ画像(当記事の一番上の画像)をよくよく見返してみると、

と、でかでかと「お賃金」と書いてあるではないですか!

 

つまり、ここにルビを振ってちょっと細工をすると「なぜこれが下ネタになるのか」の意図を暗示することができるわけであります。

そう、「おちん◯ん」というルビ を振ることでね。

 

それでまあルビ(ふりがな)を振ったバージョンの画像もつくってみたんですが、「いや、さすがにここまでしてしまってはおれの高貴なる品位が保持できない」と思いとどまった自分をほめてやりたい気持ちと、ここに書いたらなんの意味もないだろ品位どん底くそメガネがと罵倒する気持ち、いろんな気持ちがないまぜになっているため、「誰もが見えないところでいろんな葛藤をしてるんだよ」という教訓だけここに残しておきます。

 

 

<広告代わり>
「役に立った!」「ニヤニヤした」など、もし「こいつ応援してやろうかな」という菩薩のごときお心が芽生えましたら、Amazonか楽天でお買い物するときに、下のリンクを踏んでからお買い物をしていただけますと私にジュース代なんぞが入ります。とても嬉しい。(なぜかメガネの検索画面が出てきますが無視してお好きなものを!)
▷Amazonでお買い物
▷楽天市場でお買い物