ブログを書いていると「人間性が伝わる記事も書くといい」というアドバイスも目にすることがあり、それで書いたのが『好きでしかたがない仕事 税理士の仕事』という記事です。
しかし私には、正直に申し上げまして仕事以上に打ち込める趣味というものがなく、仕事に関係ない部分をどう表したらいいのかわからず悩みに悩んでいます。
なので一度殻を破るため、一度まじくそどうでもいい話を書いてみようと思い立ちました。
「テキストサイト」と言って通じない方もいらっしゃるかとは思いますが、その思い出について書いてみました。
目次
テキストサイトとは
ご存じない方のために一からご説明しようかと思ったのですが、めんどくさいのでみんなのwikipediaさんを引用します。
テキストサイトとは、インターネット黎明期の1990年代中期から2000年代前期に日本で流行した、日記などの文章をメインコンテンツにしたサイトのうち、特に情報よりもエンターテイメント性(ネタ)を重んじているウェブサイトである。
参照:wikipedia
全然わかんないですね。
簡単に言うと文章だけで人を笑わせることに情熱をそそいだ人たちのサイト、がテキストサイトだというのが私の認識です。
当時は回線がとにかく遅く、いかがわしい画像を見るのもひと苦労でしたので、なまじ画像を貼り付けてしまうと表示に長い時間がかかってしまいました。
なので文章を中心にして負荷を軽くするため、文章メインのサイトがはやったという事情が大きかったようです。
自分はやってないし主流のもの全然見てない
思い出と書いておいてなんですが、私はテキストサイトの黎明期(れいめいき)にはインターネットそのものをそこまで見ていませんでしたし、主流となっていたものをほとんど知らなかったうえ、自分でテキストサイトをつくったこともありません。
以下のオモコロさんの記事で、テキストサイトがどんなものか、どういう経緯をたどって人気が出て衰退していったのか、がよくわかるのですが、出てくるサイトのほとんどを私は知りません。
参照記事:オモコロ『【今更】あれだけ流行ったテキストサイトが何故廃れたのか考えてみる【考察】』
きっかけになったサイト
そんな私がテキストサイトを知るきっかけになったのが、最もと言っていいぐらい有名ではないかと思われる『侍魂(さむらいだましい)』さんです。
(現在は更新されていないようです。年が書いてないけどトリノ五輪の話がトップにあるから2006年?)
と言って私が見つけたわけではなく、小学生か中学生のころ兄から突然「このサイト見てみろよ」とにやにやしながら言われ、「何が面白いんじゃぼけなす。このおれが簡単に笑うと思うなよ」と、しょっちゅう喧嘩していた2歳上の兄に対して心のなかで(口に出すとボコボコにされて大泣きする)毒づいていたら、二人してめちゃくちゃに笑ったのが「先行者」という中国のロボットをネタにしたこの記事です。
(ネタバレになったらあれなのでモザイクを施しました)
とても有名なので私と近い年代や、ある程度上の年代の方は見たことある方多いと思います。
Wikipediaさんが「絶頂期には1日20万PVをたたきだした」とさらっと述べてますけど、私が生涯にたたきだせるかもわからないPV(ページビュー)を一日でたたきだしていたわけです。
まさにテキストサイト界の先行者。
その後好きになったサイト
荒くれ未亡人
とはいえその後も侍魂さんを見つづけたわけではなく、テキストサイトを特に見もしない日々が続いたあと、私は『荒くれ未亡人』というどこかいかがわしさを感じさせる名前のサイトをちょくちょく見るようになりました。
kaedeさんという男性の方が更新されていたサイトで、さっきざっと調べたら今はもう影も形もなくなってしまったようです(古いブログは残っている)。
きっかけは忘れましたが、私は当時からひねくれていてくそ勘違いしたくそがき(くそを二回言うほどのくそがき)だったので、多分「侍魂みたいなメジャーなサイトじゃなく、自分で見つけたそこまでメジャーじゃない(失礼)サイトを追いかけよう」と考えたのだと思います。
あと名前のいかがわしさに惹かれたんだと思います。
実際にはそれほどいかがわしくもなかったのでその点についてはがっかりしたのですが、この『荒くれ未亡人』さんには相談コーナーがあり、それは読者が投稿した質問に対してkaedeさんが面白回答をしてくれるというものでした。
これに私は調子にのって2回ほどくそ面白くもないくそ質問を面白いと思いながら投稿し、kaedeさんが面白回答をしてくれ自分まで面白くなったかのような錯覚に陥る、というできごとがありました。
いまもどこかでブログとか書いてそうな気もしますが、どうなんでしょうか。
私の時代は終わった
こちらはテキストサイトというかもうブログですが、加藤はいねさんという女性の方の『私の時代は終わった』というサイトも大好きで一時期気もち悪いほど見ていました。
(こちらはいまも更新されています。ものすごく不定期ですが)
この加藤はいねさんのすごいところが、
- 画像一切なし
- 太い文字も大きい文字も一切使わない
- 文字の色も一切変えない
という男気あふれる、小細工に一切頼らない文章をひたすらにつづってしかもものすごく面白いところです。
(間は取りますが、大げさな空白でもったいぶったりもしません。あと画像一切なしは誇張です。限りなくゼロに近いですが)
こちらは「ファンですめっちゃ面白いです!」みたいな文面をめちゃくちゃ気もち悪くしたメールを送ったことがあり、しかも恥ずかしいから偽名で送ったら家のパソコンだったために本名表示されてた、という床でもだえ苦しんでめがね割れたほどの恥ずかしい事件が起きました。
若かったです。
加藤さんは優しいことにメールを返してくださり、3回~4回ぐらいメールのやりとりができたのでそれにも私は舞い上がりました。
加藤さんは処女だということをネタにされて10何年は経っているはずですが、あんな面白い人間が放っておかれるはずないので、多分そういう設定なんじゃないかと個人的には思っています。
インターネットの興亡の激しさ
テキストサイトへの憧れがある
- ブログは画像を間に挟んだほうがよい
- 単純に画像のほうが伝わりやすい
ということはよく言われ、説明記事ではなるべく使おうと努力はしているのですが、私には根本的にどうもテキストサイト(と加藤はいねさん)への憧れが残っており、また自分が文章だけの記事を読んでもそれほど苦痛にならないので、ほぼ文章のブログになってしまいがちです。
これは間違いなく読んでくれる方目線でなく自分目線になっている証拠だと思いますので、戒めなくてはいけません。
(しかし先行者の記事といい『荒くれ未亡人』さんといいそこそこ画像つかってたような…。本当にテキスト中心だったのはごく初期のころかもしれません)
移ろいゆくもの
お金の問題というよりおそらく生活が変わった影響なのでしょうが、それこそ1日20万PVをたたきだしたようなサイトがいま更新されていないように、あのころ有名だったテキストサイトのほとんどが更新されていません。
これは、技術が変わり、人が年齢を重ねることの証明であるようにも私には感じられます。
上記オモコロさんの記事で、テキストサイトの管理人達がmixiに流れ、また同時期にブログが脚光を浴びるようになったというような記述があります。
mixiの現状を考えるとブログは今に至るまで興隆を保っていますし、ストック型の資産になるブログはフロー型のSNSとは違うとも言われますが、それがずっとそうでありつづけるかというと私にはわかりません。
画期的なストック型のSNSが現れるのか、それともまったく違うサービスが現れるのか、まったく想像もつきませんが、この記事の内容を思い返すにつれて諸行無常の感だけが私の胸に残りました。
だから自分がブログにどう向き合っていいかわからなくなってきてるのかな、とも思ったのですが、ただここまで書いて二つの考えに思い当たりました。
- いまブログにきちんと向き合っている人は、人に与えること、相手の目線に立ってわかりやすく伝えること、という原則に日々向き合っている人だから、たとえサービス(手段)が変わっても多くの人が適応していくのではないか、ということ。
- そして現在(いまできること)に全力で取り組めない人は、どうサービスが変わろうが結局適応できないだろうということ。
だから「どう向き合っていいかわからない」などと甘えたことを言わず、いま必要なことを探して考えて全力で頑張るしかないんだ、という結論に今回は行き着きました。
なお、書き終えてからの反省点として、
- 終盤いきなりまじめなトーンになりすぎ
- 伝えるべき人間性と伝えなくていい人間性があることにいま気がつく
- 大して殻を破れた気もしない
というデメリット満載の記事で終わりましたが、読んでくださってありがとうございました。
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