「誰も来ない店に、いかがわしい本を買いに行く―」あの日僕がバイクに恋い焦がれた理由

 

こんにちは。むっつりめがねの谷口(@khtax16)です。

 

書くのやめたほうがいい。

書くのやめたほうがいい。それはわかってるんです。

 

でも先日とあるブロガー飲み会に行ったら、

「下ネタはみんな『いいね!』をしてくれないけど結構読んでる」

みたいな話になって、

「なんだ、みんなむっつりすけべなんじゃないか!」

「人類はみな等しくむっつりすけべなのだ」

という悟りを開くに至ったので思いついた話を書きます。

 

私は『虎の威(兄のTSUTAYAカード)を借りてあのいかがわしいのれんをくぐっていたあのころのピュアハート』で書いたように、18歳に達するまでは、

  • 兄からレンタルビデオ屋のカードを借りる
  • TSUTAYAでいかがわしいビデオを借りる
  • 兄のカードを友達のあいだで回す
  • TSUTAYAのお姉さんにAVのタイトルを言わせる

といった悪行をくり返していた生粋のむっつりすけべでして、やっぱり動画が最高というのはあるんですが、ただまあ「お手軽さ」「動画ではない気分のときもある」といった理由でいかがわしい本が欲しくなるときもあるわけであります。

(特に18歳未満の思春期まっしぐら時代)

 

レンタルビデオ屋は年齢制限が厳しくなりはじめていた時代だったので、兄のカードを借りるなどする必要があり近所のTSUTAYAへ行っていたわけですが、やっぱり近隣の皆々様に自分の嗜好とか知られたくないわけじゃないですか。

好きな子とかに遭遇しちゃう可能性もあるわけじゃないですか。

ぼくぐらいになると普通のビデオといかがわしいビデオをサンドイッチ状態にして、いかがわしいビデオを隠すむっつりすけべテクは当然駆使するわけです。

 

 

友人には逆にあえて図のように持つことで、

「性癖をさらし、まわりに軽蔑した目で見られることによりひと粒で二度楽しむ」

という高等テクニックを駆使するやつもいましたが、残念ながらむっつりすけべのぼくにはそんな度胸はありませんでした。

 

なので、そんなぼくが思いついた最善の対策は、

「せめて本を買うときは、家から離れた店へ行く」

というものでした。

 

これはつまり、おのれの「恥」と「労力」とを比較した結果、「見合わない労力をかけてでも圧倒的に恥を回避したい」を選んだということです。

なぜならばむっつりすけべだから。

 

ぼくは16歳になってすぐ原動機付自転車(いわゆる原チャリ)の免許を取ったんですが、当時とにかくバイクが欲しくて欲しくてしょうがなかったのは、

「家から離れた店でいかがわしい本を買いたい」

という情熱をおさえきれなかったからです。

 

なのでバイクを買ってまずしたことは、「バイクで走るの楽しぃ~」と まわりや自分にウソをついて いかがわしい本を買いやすい店を探す、という行為でした。

(むっつりすけべは自分をも欺くことがあるので、本屋を見つけると「へぇ~こんなところに本屋があるんだぁ~どんなラインナップかなぁ~おれ本が好き、大の本好きだからなぁ~」とつぶやきながらとりあえず入ってチェックしていました)

 

ここで大切なのは、

  • 家から適度な距離にあること
  • 地味な店であるほどよい
  • 買いやすい構造になっていること
  • レジがお姉さんでないこと

といった点です。

 

「レジがお姉さんでないこと」というのは意外に重要な点で、思春期の少年にはお姉さんに自分の性癖を知られることがなによりの恥辱 なのであります。

たとえ二度と会うことはないお姉さんであろうと、それはできるかぎり避けたいものなのです。

 

※ ちなみにぼくの友人には、「友達の姉がバイトをしている店舗で、あえてそのお姉さんのレジに並んでAVを借りる」というこれまた高等テクニック(というか特殊な性癖)を持つ人間もいましたが、そいつもいまでは立派な士業になっているので世の中というのはわからないものです。

 

ぼくが見つけたベスト本屋さんは、レジが壁の中に埋まっている感じで、店員さんと目を合わせることなく いかがわしい本を買うことができたお店です。

 

こんな感じ。

 

 

なので もう全然顔を合わせなくて済む んですよ。

 

そりゃもう思いましたよね。

「この店の構造を考えたやつは天才か」と。

「天才かもしくは我と同じくむっつりすけべに違いない」と。

 

やや家からは離れていたのですが、逆に言うと近所の人間はまず来ないであろう立地でもありぼくは非常に満足しました。

「おれはこの店と出会うために生まれてきたんだ」

そう熱い涙が流れたほどの感動です。

 

なのでその店には足しげく通っていたわけですが、純度100%、生まれながらのむっつりすけべのぼくと言えども、やっぱり気というものは緩んでくるもの。

ぼくが買ったその日のいかがわしい本、そう、仮に名前を「君のメガネを汚したい~愛はメガネとともに~」としましょう。

バイク(スクーター)に乗られたことのある方はご存じだと思うんですけど、スクーターって座るところがパカっと開いて、ヘルメットとか入れられるようになってるものが多いんですよ。

で、その「君のメガネを汚したい」を、そのヘルメットの下にしまっておいたんですね。

 

『虎の威(兄のTSUTAYAカード)を借りてあのいかがわしいのれんをくぐっていたあのころのピュアハート』でも書いたとおり、生粋のむっつりすけべであるぼくは、基本的にいかがわしい本を兄弟に知られないように深く隠していました。

(この記事には書いてませんが、5歳下の弟もいます。ぼくは男三人兄弟の真ん中です)

 

なのでいかがわしい本を買って帰るときのぼくの行動というのは、それはもう怪しく抜き足差し足忍び足、メガネをしきりに上げ下げしてまわりを窺いながらおそるおそる帰っていました。

まあむっつりすけべの諸兄には共感してもらえると思うんですけど、こういかがわしい本をシャツの下に隠して移動したりするんですよね。

まんがで「おなかにジャンプを挟んでたことでナイフで刺されても助かった」みたいなシーンがありますけど、それのいかがわしい本版です。

だから四角いの。前からじっくり見るとシャツのおなかがなんか四角いの。

年頃の息子さんがいるご家庭では、挙動が怪しくてシャツがなんか四角いときは十中八九いかがわしい本を隠しています

しかしそれも健全な成長というもの、暖かい目で見守ってあげましょう(誰だ)。

 

話がそれましたが、いつもはそうして挙動不審になりながら帰るのに、その日はなんか「まあ後日でいいや」と思って「君のメガネを汚したい」をヘルメットの下に置いたまま帰宅したんです。

で、その翌日、TSUTAYAのカードを貸してくれている兄が、

「ごめん、原チャリ(バイク)貸してくれない?」

と言ってきました。

ゴールドカードを貸してくれている、恩義ある兄の申し出ですから一も二もありません。

私は「ああ、いいよ」と言ってカギを渡しました。

賢明な読者諸兄姉はもうおわかりですね。「君のメガネを汚したい」の存在をすっかり忘れていた私は、

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛、やばいやばいやばい」

とあとで気がつきもだえ苦しみ、まさに「穴があったら入りたい」状態で家で転がっていました。

しかし兄も18歳になったいい大人です。そんなデリカシーのないことはすまいと思っていたのですが、

帰ってきた瞬間「これ、忘れもの」と言って100点満点の笑顔でいかがわしい本を持って帰りやがりました

 

兄は「ここ、あるから」と言って自らの本やビデオをご開帳する剛の者であったことを忘れていた私は、恥ずかしすぎて恥ずか死をし、以後バイクの中に本を忘れるような蛮行は控えるようになりましたとさ。

めがね。

 

 

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<余談>

今日はとても面白い飲み会があり、「やっぱブログがんばろ」と思ったこと、そしてちょっともやもやすることがあったため「これを晴らすにはくそブログを書くしかない!」と思い立ったこと(選択ミス)、からこんな記事を書くことと相成りました。

この記事、本当は6割ぐらいを以前に書き上げていたのですが、いいオチが思いつかずお蔵入りしていた次第です。

ほかに考えたオチとしては、

  • いかがわしい本を買うのに慣れてきたころ、レジが高校の好きな子になっていてバレる
  • 大量のいかがわしい本を買ったあと、バイクで事故ってすべてぶちまける。レンズが割れてその破片がいかがわしい本にキラキラと降りかかる。まるでオーロラ
  • バイトしていた中華料理屋さんのいかがわしい本を盗んでいるのが兄にバレる(実話)

があったのですが、特に最後のは実話なので別の回に取っておこうかなと考えこうなりました。

「知るか」

ですよね。はいすみません。

 

そういえば『いかがわしい話』というカテゴリをつくりました。

今後このカテゴリの話が増えないことを祈っていてください。

ぼくも祈ります。

(あと妻の話カテゴリもつくろうかしら。いやでも「妻の話」と「いかがわしい話」が並んでいる絵面はやばいな。三行半(みくだりはん)コース)

 

 

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