こんにちは。めがね税理士の谷口(@khtax16)です。
本日は2017年7月1日。
そしてちょうど1年前の今日、2016年7月1日に私は税理士として独立しました。
(本当は7月1日にアップするつもりだったのに、思いのほか長文になってしまったため「7月1日」と言い張ってまず)
いまの率直な気持ちを書くなら、
- もう1年経ったのか
- どうにか1年を乗り越えることができた
というのが主な感慨です。
少し前ですが、同じ税理士の内田さんが『税理士として独立したい人の参考になるブログ。独立後のイメージができる』で私のブログも挙げてくださっていて、
「税理士試験のことは大して書くこともないし、私のごときものでもなにか独立を考えている・独立前後の方向けに書けることはあるのだろうか」
と前から思っていたので、参考になるかはわかりませんが、完全にお客さんゼロで独立した自分の経験を振り返ってみました。
ちなみにもし内容的に、「前書いてたことと違くね?」みたいな部分があったとしたら、多分前はかっこつけて書いてた可能性が高いのでここのが本音に近いです(多分)。
懲りずに長文ですのでお気をつけて!
目次
税理士として独立して1年 はじめての独立記念日を迎えて
最低2回は餓死するかと思った
まずどうにか1年続けてこられたわけですが、この1年のあいだ、最低2回は餓死するかと思ったタイミングがありました。
僕こういうのよく抜け落ちる(多分防衛本能)ので、なんなら3~4回はあったかもしれません。
まあ餓死というか「これサラリーマンに戻らないと食べていけないかな」と思ったことが2~4回ありました。
もともと私は、
「会社辞めることになったし、一旦独立してみっか! 年齢もまだ31歳だし、(当時売り手市場だったので)ダメならいくらでも就職できるだろう」
という「オッス!オラ悟空!いっちょやってみっか!」的な、結構軽いお試し的な気持ちで独立した、ということがあります。
どうせいつかは独立するつもりだし、そこそこの経験は積んでいてやれる気もするし、という「熟慮の末」からはほど遠い「勢いに任せて」的独立でした。
営業のしかた全然わからない問題
私は完全にゼロからの独立でしたので、まあ一番の悩みだったのが「どうやってお客さんを増やしていいかわからない問題」。
そのほかにもとにかくやったことのないことだらけではありましたが、こればかりはもう増えてくれないことには続けていくことができないので死活問題です。
誤解と恥とを恐れず言いますと、独立前は、
「税理士の平均年齢65歳? あんな勉強することを放棄してるおじいちゃんが跋扈してる業界なんだから全然お客さん集まるっしょ」
とか鼻歌交じりに考えていたころもありました。
甘い。
生まれたての赤ちゃんかなというほどの甘ったれぶり。
ハイハイでもしてみせろこの赤ん坊が。
実際には、特に開業から半年ぐらいのあいだはとにかく鳴かず飛ばずで、お金が刻一刻と減っていくことがただただ怖かったです。
よっぽど営業に自信がないかぎりブログは書いたほうがいい
とはいえ怯えてばかりもいられないので、このときやっていたことというのは、
- 交流会などの知らない人がいるところにとにかく行って顔をつなぐ
- ブログを平日毎日更新で書く
の2つでした。
前者については『税理士が交流会の出会いを仕事につなげる方法』で気をつけていたことを書きましたし、
ブログについては『ブログを書くなら自分の色を出そう! たとえアホ丸出しのブログになったとしても』などで、
「とにかく自分の色を出す」「印象に残る」ことを目指していたという内容を書きました。
私がとにもかくにも独立して1年続けることができた最大要因はブログです。
一応今後もやっていけそうな状態を保てていますし、ブログを書いていなければ半年でギブアップしていたでしょう(半年がちょうど死にかけた時期でした)。
明確な売り(商品・サービス)がある、屈強な営業方法を行使できる、ということでなければとにかくブログは始めておいても損はないです。
(早ければ早いほどよい)
また、自分にはどんな営業ができるのかも模索するとよいでしょう。
私は飛び込み営業系が本当にできなかった(「飛び込み営業しないと死ぬ」ぐらいになるまではやめておこう、と思っていて結局しなかった)ので、代わりとして、
- 交流会に出る
- 一部の方がブログ見てくださる
- 飲み会など何かに誘われたらできるかぎり顔を出す
ということは意識してしていました(もっといいやり方はあったのかもしれませんが)
下請けの仕事はやらないと決めた
また、税理士は人によって「先輩税理士などから外注的な感じで仕事をもらう」ということがあるのですが、これは下請けみたいなもので抜け出せなくなると嫌だから極力受けないようにしよう、ということも決めていました。
そして実際に1年間下請けとしての仕事はせずに済みました。
(仲のいい先輩税理士がいなかっただけともいう)
とはいえ税務署に行っての電話相談のような税理士特有のアルバイト的なことはしましたし、苦しかった時期に郵送で、
「うち、仕事たくさんあっから下請けしてくれなーい?」
というお誘いが来て(面識のない方なので多分税理士会の名簿かなんか見て送ってきたのでは)、ものすごく揺らいだこともありました。
正直そのお誘いが私の嫌いなFAXでの申し込みだったので、受けたらFAXでのやりとりになりそうで嫌だなあと思ったためギリギリせずに済んだ、というだけです。
いまとなってはそんなのただの意地で、下請けをしてもいいし、紹介会社をつかってもいい、と考えています。
(紹介会社は手数料がえげつないですが、あとで判明したところによると分割で払える会社もあるらしい(金額はもちろん高くなります)ので、軌道にのるまでは使い方次第かなと)
要は「どうにか軌道にのるまで乗り切れればなんでもいい」のではないでしょうか。
ちょうど税理士試験なんて受かりさえすればなんでもいい、のに似ている気がします。
独立したっていいしサラリーマンに戻ってもいい
冒頭で書いたように、本当は独立を決めかねている方になにか背中を押せるようなことが言えればいいのですが、私の性格上あんまりそういうことが言えません。
なんでかというと、
独立する人はなにも言わないでも独立する
と思っているところがあるからです。
私は税理士試験も「受かる人はなにも言わないでも受かる」と思っているので、ブログでそんなに言及しません。
ブログ読むぐらいならとにかく勉強するしかないんじゃない、と思います。
税理士試験は勉強するしか受かる方法がないですし、独立だって「独立する」以外には独立する方法がないのです。
なのでしがない私の思うところで言うことしかできないのですが、私は独立して後悔したことが一つもありません。
餓死しそうになってもお金が尽きそうになってもギリギリまで耐えたのは「サラリーマンに戻りたくなかった」からです。
あの自由のない、ソフトの選択一つもできない、まったく尊敬できない人間が上にいても何もできない、自分の思うところを試すのにも根回しや根気のいる、あの息苦しい状況に戻りたくなかったからです。
(やる人は無視してやるんでしょうが、私は勤めているときにはできませんでした)
ダメだったらサラリーマンに戻ればいい
いずれにしろ上記は私にとってのサラリーマン時代の印象なので、勤めることそのものが悪いとはまったく思いません。
実際前の事務所で、いまでも尊敬している先輩とも出会えましたし、
- サラリーマンであることを選ぶこと
- 独立したあと、一時的にサラリーマンに戻ること
どちらもそのときそのとき真剣に考えて選んだ人生の選択肢のひとつでしょう。
お名前を出していいものかわかりませんが、エールを込めて、私と同じくひとり税理士をやってらっしゃった白石竜平さんという方がいらっしゃいます。
白石さんとはお会いしたこともありませんが、ブログが面白くて好きでよく読んでいました。
白石さんは半年ほど独立されたあと、「もう少し経験を積みたい」ということで勤め人に戻られましたが、きっとまたいつか独立されるものと勝手に信じています。
独立しようがどこかに勤めようが尊重されるべき、またなにより自分にとって多くの糧となる(糧とすべき)人生の一ページでしょう。
私だっていまはなんとかなっていますが、私がふがいない仕事をして一気に見限られればまたサラリーマンに戻る可能性は大いにあります。
(もちろんそうならないよう力を尽くしますが)
人生万事塞翁が馬です。
いるかはわかりませんが、「独立してうまくいかなかったらかっこ悪い」などという考えで躊躇している方がいたとしたら、そんなものいいからとにかく一度独立してみたらいかがか、と思います。
本当に独立して経験することって、独立してみないとわからない、経験しようのないことばかりです。
そして少し前に知ったいい言葉で「残りの人生で一番若いのは常に今の自分」というものがあります。
「いま何歳だから」や「いまの経験では」を考えすぎるより、「いまの自分」を信じて突き進んでみる。
人生のなかで、そんな時期があってもいいんじゃないかと、私は考えています。
おわりに
というわけで、こういう話のときはいつもそうですがとりとめなく1年を迎えて感じたことを書いてみました。
「こいつ偉そうだな」とお感じになられたら申し訳ありません。
ひとりでも独立できること、そしてブログを教えてくださった井ノ上陽一さん、会ってくださった方、ブログを読んでくださった方、ご縁をくださった方、そしていつも支えてくれる妻に改めて感謝したいです。
本当にありがとうございます。
この1年で、ご迷惑をおかけしてしまった方もいます。
忘れず、傲らず、自分にできることを振り返りながら進んでいけたらと思います。
◇ 谷口孔陛税理士事務所のホームページはこちら! https://kh-tax.com
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